タイは東南アジアの国で、日本人もタイについてさまざまな点で「なんでだろう」と考えることがあります。
そこで今回はタイはなぜ観光客が多いのかなど、社会・経済・文化・歴史に関する質問に対してわかりやすく解説します。
社会に関する質問
タイはなぜ観光客が多い人気な観光大国なのか
タイ政府は政策の一環として、観光による経済促進を狙っています。
2017年には外国人観光客の人数が3,300万人で世界第9位になりました。さらに、国連世界観光機関(UNWTO)によると、海外旅行客から得た観光収入は世界第3位です。
ここまでタイの観光業が大きくなった理由には、具体的に以下の3つがあると言われています。
- 都市と地方で異なる魅力がある
- ロングステイヤーの増加
- メディカルツーリズムの促進
それぞれ解説します。
①都市と地方で異なる魅力がある
タイは地方都市も観光スポットとして栄えています。たとえば、注目都市として以下のような場所があります。
- バンコク:タイで一番の都市
- アユタヤ:アユタヤ王朝の街
- スコータイ:スコータイ王朝の街
- チェンマイ:タイ北部の二番目の都市
- チェンライ:ランナー王朝の街
日本と比べても東京か京都のどちらかのような選択ではなく、街それぞれが異なる魅力を持っています。そのため、タイに旅行に行く度、異なる魅力を発見をすることができます。
②ロングステイヤーの増加
タイは普通の観光客だけではなく、ロングステイヤーと呼ばれる長期滞在者を呼び込んでいます。定年退職者などのシニア層が長く滞在して消費額も大きいので、観光による経済効果もあるのです。
特にヨーロッパからの長期滞在者は、ヨーロッパの冬は長くて寒いため気候のよいタイが好まれます。
③メディカルツーリズムの促進
タイ政府はタイで医療サービスを受ける外国人観光客を呼び込む、メディカルツーリズムに積極的です。たとえば、美容整形や性転換手術などですが、タイの医療は安い上に品質がいいです。
また、単純に医療サービスを受けるだけではなく、豪華なホテルや眺めのよいプールなども一緒に楽しむことができるので外国人観光客を引き寄せています。
日本人がタイにハマる理由
海外からの観光客という括りではなく、日本人に特化してタイにハマる理由を考えてみると以下のようなものがあります。
- 人と治安が良好
- 観光スポットが多い
- タイ料理が口に合う
- 日本と比べて物価が安い
- LCCが就航している
タイの少年はなぜ洞窟にいたのか
2018年、タイのチェンライ郊外のダムルアン洞窟にて、地元のサッカーチーム少年ら12人とコーチ1人が閉じ込められて遭難から18日目に全員が全て救出されるという事件がありました。
洞窟は鍾乳洞で、中は幻想的な光景になっていました。また、肝試しで少年たちはよく洞窟の中に入っていました。
しかし、雨季だったため大雨が洞窟の中に入り込み脱出できない状況に追い込まれます。
そして、最終的にはダイバーによる救出となりましたが、途中で元タイ海軍の方が空気タンクが不足したことによって死亡しました。また、タイの海軍特殊部隊の方も救助活動の時に患った感染症で後に死亡しています。
ちなみに、コーチと少年3人は無国籍で、後にタイの市民権を取得しています。
経済に関する質問
タイが発展途上国から抜け出せないと言われる理由
タイは中進国の罠に陥っています。
中進国の罠とは、人件費などが高騰する一方で経済成長が鈍化してしまう状態です。タイはまわりのASEAN諸国の方が人件費が安い上に、タイに高度な技術が育っていないためこの事態に陥っています。
タイは経済構造を転換して産業を高度化することによって中進国の罠を脱することが求められます。
文化に関する質問
タイが親日な理由
タイが親日と言われる理由は以下の3つです。
- 歴史的なわだかまりがない
- 皇族・王族との結びつきが深い
- 日系企業がタイに進出していること
タイと日本は、お互いに欧米の植民地になったことがありません。また、戦時中にお互いが不信感を募らせたこともありましたが、条約も結んでおり今日に至るような歴史的ないざこざはありません。
また、日本には皇族がいる一方でタイには王族がいます。戦後も日本の皇室とタイの王室は家族ぐるみの緊密な関係が続いています。特に秋篠宮さまは研究活動や旅行でタイを訪問されています。
そして、日系企業がタイに数多く進出しています。特に日本の自動車メーカーは1950年代からいち早くタイに進出して、タイに工場を建て人材を育成したり、ローカルの部品メーカーを成長させたりしまして経済的な交流が深いです。
タイでピックアップトラックが人気な理由は?
タイでは、ピックアップトラックという大きな荷台を搭載する特徴的な自動車が人気です。
なぜ人気かというと、ピックアップトラックは通常の自動車に比べて高さがあります。そのため、香水が多く悪路の多いタイの道にぴったりなのです。また、農村部では農作業物資の配達などにも向いています。
タイが「微笑みの国」と言われる理由
タイが「微笑みの国」と言われる理由は以下の通りだと言われています。
- 相手に対して怒らないように子供のころから教えられている
- 西洋人から見た対人の印象
- タイ政府観光庁の作ったキャッチフレーズ
相手に対して怒らないように子供のころから教えられている
タイでは、子どもの頃から相手に対して怒らないように教えられます。
そのため、笑顔が多く細かいことを気にしない人が多区なったとも言われています。
西洋人から見たタイ人の印象
19世紀に西洋人がタイに訪れた時、タイ人たちは言葉が理解できずニコニコしていました。
そのため、多くの人がニコニコしているという印象になって、「微笑みの国」と言われるようになりました。
タイ政府観光庁の作ったキャッチフレーズ
タイは農業国であり次第に工業化する中で、観光業に力に入れるようになりました。そこでタイ政府観光庁が作ったキャッチフレーズが「タイは微笑みの国」と言われています。
タイティーがオレンジ色なのはなぜ?
タイティーは茶葉に色素を混ぜているため、オレンジ色になります。天然色素なため体にとって悪影響はありません。
ちなみに、発酵させた茶葉にバニラなどの甘い香りをつけた上で着色をしています。
歴史に関する質問
なぜタイの水上マーケットが発展した歴史があるのか
タイの水上マーケットは、昔から運河の近くに住む人たちが移動手段として船を利用していたのでそれが転じてマーケットになった面と人工的に運河を作って観光地化させたものがあります。
また、以下のような代表的な水上マーケットがあります。
- ダムヌンサドゥアック水上マーケット
タイで一番有名、バンコクから約80km - タリンチャン水上マーケット
土日限定で開かれるローカルなマーケット、バンコクからバスで約40分 - アムパワー水上マーケット
タイ人の中で一番人気、バンコクから車で約90分
タイの象の歴史は?
タイの像は非常に歴史が古く、ブッダのエピソードにも登場します。
また、昔の王様は他国と戦争をする時に象に乗って戦っていました。ちなみに象は体重4tで時速約40kmほど出すことが可能です。
それから、100年ほど前には森林伐採の切り出しや運搬のために象が飼われていました。そして、森林伐採の仕事がなくなり象の数も減っていますが、観光のマスコットキャラとなってています。
ちなみに象のフンの洗浄や加工といった再利用も一般の人でも体験することが可能です。
タイが独立を維持できた理由
タイが植民地化されず独立できた理由は以下の通りです。
- 日本の明治維新のような近代化が進められたから
- イギリスとフランスの緩衝地帯になった
日本の明治維新のような近代化が進められたから
1800年代にはヨーロッパから列強諸国が訪れタイの周辺国を植民地化しましたが、1868年に即位したラーマ5世はチャクリー改革という近代化を進めて、教育制度を整え鉄道や道路などを整備して国家としての体裁を整えたので、欧米からの植民地化を逃れました。
イギリスとフランスの緩衝地帯になった
イギリスはビルマ(ミャンマー)、フランスはインドシナ半島を植民地としていました。両国間の植民地争いに発展させないようにタイを緩衝地帯に定めていました。それが作用して独立を保てました。
まとめ
今回はタイに関する疑問についてお答えしました。
自分が知らなかったことを知ればより一層、タイに関しての理解が深まりますね。
ぜひ、参考にしてみてください。
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