マレーシアは東南アジアに位置する国です。
当然ながら、日本とは歩んできた歴史が異なります。
そこで今回はマレーシアの歴史について簡単にわかりやすくご説明します。
マレーシアの歴史年表
マレーシアの歴史の年表は以下のようになっています。
年 | できごと |
---|---|
1402年 | マラッカ王国成立 |
1405年 | 明の艦隊が来航して、明と朝貢交易開始。 |
1414年 | イスラム教を国教に定めて繁栄の時代になる |
1509年 | ポルトガルの商船隊がマラッカ に寄港 |
1511年 | マラッカ王国滅亡、ポルトガルの植民地になる |
1641年 | オランダの植民地となる |
1824年 | 英蘭協定締結:マラッカ海峡の東側が英国領、そして西側がオランダ領となる |
1896年 | マレー連合州が結成され、マレー半島全域が英国植民地となる |
1941年 | 大日本帝国がマレーシア上陸 |
1945年 | 日本が敗戦し、イギリス領になる |
1948年 | マラヤ共産党の反乱 |
1957年 | マラヤ連邦としてイギリスから独立 |
1963年 | シンガポール、東マレーシアのサバ、サラワクとともにマレーシア連邦成立 |
1965年 | シンガポールが分離独立 現在のマレーシアになる |
1969年 | 華人とマレー人の衝突、5・13事件発生 |
1981年 | マハティールが4代目首相になる |
1984年 | サバ州沖合のラブアン島が連邦直轄領となる |
2003年 | アブドラが5代首相就任 |
2009年 | ナジブが6代首相に就任 |
2018年 | マハティールが7代目(2度目)の首相に就任 |
2020年 | ムヒディンが8代目の首相に就任 |
マレーシアの簡単な歴史まとめ
古くはマラッカを首都とした港市国家
マレーシアは古くから海洋交易の主要ルートになっていました。670年頃にスマトラ南部にシュリーヴィジャヤ王国の領土になります。そして、中世に入るとアラブやインドの商人からイスラム教が伝来します。
その後、1402年にマラッカ王国が建国され、1405年に中国の明と朝貢貿易をするようになります。
欧米列強の支配を受ける
1511年に香辛料取引の利益を独占しようとしたポルトガルの支配を受け始めます。ちなみに難を逃れたマラッカ王国の国王は18世紀までジョホール王国を建国して勢力を保っていました。
そして、1641年にポルトガルに代わってオランダが支配するようになります。そして、1824年に英蘭協定締結によって、マラッカ海峡を挟んで東側をイギリスが統治して、西側がオランダが統治するよういになります。
1896年になると、マレー連合州が結成されてマレー半島の全てがイギリスの植民地となるのでした。
独立国としてのマレーシア
1941年に日本がシンガポールを攻め込むため、マレー半島に上陸してマレーシアを占領します。そして、1945年に日本が敗戦すると再びイギリスの植民地になるのでした。
1957年にマレーシアはマラヤ連邦としてイギリスから独立して、1963年にシンガポールや東マレーシアのサバやサワラクを加えてマレーシア連邦が成立するのでした。しかし、1965年にシンガポールは独立します。
それから1969年に経済格差に不満を持ったマレー人と豊かな華人の間で暴動が起こり、マレー人優遇政策のブミプトラ政策が1971年から始まります。
それからマハティール(1期目)時代に高度経済成長を迎えて、アジア通貨危機などを乗り越えて現在に至ります。
マレーシアとシンガポールの歴史
マレーシアからシンガポールが独立したのは、民族構成が原因です。マレーシアはマレー人が大多数でありマジョリティです。一方のシンガポールは華人がマジョリティです。
シンガポールでは、華人の地位を向上させる動きがありましたが、マレーシア側とは相容れずシンガポールは独立することになりました。
マレーシアの歴史的な人物
マレーシアの歴史を語る上で外せない人物は2人います。
- トゥンク・アブドゥル・ラーマン初代首相
- マハティール・ビン・モハマド4・7代首相
ラーマン首相はイギリスから独立した時のリーダーです。後にマレーシア連邦を結成させます。
マハティール首相は、日本を参考にして国家改革を進めるルックイースト政策を推進して、マレーシアに経済成長をもたらしました。
マレーシアの歴史的な民族
オラン・アスリ
マレーシアには先住民族も多くいます。オラン・アスリと呼ばれており、人口の約15%程度を占めて110を超える言語を持ち合わせています。また、マレー半島ではなくボルネオに多く住んでいます。
混血・流入民族
マレーシアは古くから湾岸国家として発展しました。その過程で、西欧諸国の支配を受けながら周辺のインド系や中華系の民族が流入します。
その中で生まれてきた以下のような子供や子孫がいます。
- バパニョニャ:中華系男性とマレー女性の間に生まれた子供
- ユーラシアン:ポルトガル人の子孫
- チッティ:インド系男性とマレー系女性の間に生まれてヒンドゥー教を信仰する子供
マレーシアの歴史的な民族衣装
マレーシアは多民族国家なので、民族衣装はひとつではなくそれぞれ異なります。たとえば、このようなものです。
- マレー系:パジュとクルン(イスラム教の衣装)
- 中華系:漢服、チャイナドレス
- インド系:サリー
- オラン・アスリ:樹皮で作った伝統的な衣装
- マレーシア衣装:バティック
オラン・アスリは先住民族なので、衣装は一番野性的な見た目です。
また、マレーシア全体としてはバティックというシャツを着用して国民の一体感を演出しています。
マレーシアの歴史教科書の日本賛美は嘘?
マレーシアの歴史の教科書を読むと、日本が大東亜戦争を起こしたことによってアジアが植民地から解放されたと書いてありますが、清義明によると、真実と嘘が半分ずつです。
たしかに、日本が欧米勢力をアジアから追い出したが、その後の日本の軍政統治も苦しかったというのが真実です。
マレーシア歴史のおすすめ本
マレーシアの歴史を知る上でおすすめの本は以下の本です。
「アジアの教科書に書かれた日本の戦争 東南アジア編 (教科書に書かれなかった戦争)」は大東亜戦争時代に、日本軍が東南アジアに対して何をしたのかが記述されています。時刻目線ではなく相手目線で歴史を学び直せます。
「日本人が誤解している東南アジア近現代史 (扶桑社BOOKS新書) 」では東南アジア全般の歴史とともに近代マレーシアについて知ることが可能です。
「池上彰の世界の見方 東南アジア: ASEANの国々」は池上彰が書いた東南アジアの本で、何も歴史的知識を持っていない人でも読みやすい内容になっています。
まとめ
今回はマレーシアの歴史についてご紹介しました。
多民族国家なので、日本とは異なる歴史を歩んでいます。
ぜひ、参考にしてみてください。
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