2022年韓国の次期大統領選挙候補者を文在寅政権の評価とともに解説

韓国の次期大統領選挙は2022年3月に行われます。

現在の文在寅政権からの流れはどうなっていて、候補者たちはどういった人物なのでしょうか。

また、日韓関係にはどのような影響がありそうなのでしょうか。

簡単にわかりやすく解説します。

韓国の次期大統領選挙の候補者

韓国には何人かの次期大統領選挙の候補者がいますが、主要な人物は以下の通りです。

  • 尹錫悦(ユン・ソンヨル)前検事総長:文在寅と対立、一橋大学に留学経験あり
  • 李洛淵(イ・ナギョン)前与党代表:知日家、市民に耳を傾ける実務家
  • 李在明(イ・ジェミョン)京畿道(キョンギド)知事:文在寅色に近い、行動力あり

2021年4月に行われた韓国の世論調査で、次期大統領にふさわしい人物を尋ねた結果では、トップ3が尹錫悦が31.2%、李洛淵が25.7%、李在明が9.3%というようになっていて、この3者によって大統領選挙が争われる見込みです。

尹錫悦(ユン・ソンヨル)

尹錫悦は文在寅政権に検事総長を務めていました。しかし、2021年3月に辞任を発表します。

文在寅政権は側近であるチョ・グク元法相の不正問題といったスキャンダルがあり、その捜査を進めようとしていた尹錫悦と文在寅は対立してしまいます。

特に文政権は検察制度を実質的に廃止するような制度改革を行って検察を弱体化させようと試みており、それに対して抗議の意を込めて辞任したところ、文在寅政権に対抗するヒーローという位置づけになって韓国国民から関心が高まっています。

李洛淵(イ・ナギョン)

李洛淵は元国務総理であり、韓日議員連盟の副会長兼幹事長を務めていました。日本語が非常に堪能であり、1990年から1994年に東京に特派員として勤務した経歴があります。そのため、多彩な経歴を生かした安定的な政権運営が期待されています。

その一方で、文在寅政権と比べてオリジナルのカラーが出せるのかという点と、李在明とはベーシックインカム導入論において遅れを取っている一面があります。

李在明(イ・ジェミョン)

李洛淵は元弁護士で「韓国のトランプ」と言われるほど過激な発言でも注目を集めており、保守派とリベラル派で好き嫌いがはっきりと別れる候補です。

政策はリベラル寄りで、道知事として新型コロナウイルスの支援金をいち早く支給するなど行動力と弱者を助けたことから若者を中心に人気が高いです。また、ベーシックインカムの導入にも肯定的なところに注目です。

一方で日本に対しては強硬派として知られています。2021年の抗日運動記念日である三一節では、「親日派のあぶり出し」を訴えました。大統領になれば日韓関係は冷え込むでしょう。

支持率が急落した文在寅大統領

2022年の大統領選挙は文在寅政権がどういった功績を残すか、あるいはスキャンダルや問題点をのこしたまま幕を閉じるのかで流れが変わってきます。

たとえば、文在寅の功績には以下のようなものがあります。

  • 南北首脳会談の開催
  • 最低賃金の引き上げ(2020年で8,590ウォン、約747円)

しかし、南北が平和的だったのは文在寅政権が発足してからの1、2年のみであり、最低賃金を引き上げたことによって雇用が減少してしまいました。

一方で文在寅大統領の時代には以下のようなネガティブなできごともありました。

  • 不動産政策の失敗、不正疑惑
  • 法曹スキャンダルなどの不祥事
  • 外交政策の失敗

不動産政策の失敗、不正疑惑

韓国では進学や子育てのためソウルに人口が集中しており、住宅の需要が供給量を追い越していたので不動産が高騰します。しかし、文政権は不動産が値上がりしているのは不動産投機が原因だと判断してマンション等の数を減らします。

これが大きな要因となってさらに値上がりすることになりました。

法曹スキャンダルなどの不祥事

韓国では、文在寅寄りの人々がスキャンダルに見舞われています。

たとえば、大統領候補とも言われていた朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長がセクハラ疑惑で自殺、慰安婦問題に熱心だった尹美香(ユン・ミヒャン)前正義連が詐欺や不正会計疑惑などです。

また、文在寅大統領本人も大統領退任後に住む場所を家庭菜園で11年間農業をしていた農地」として土地を購入していますが、この農地が2020年1月に宅地という登記に変わり土地価格も上昇していたことから大統領の特権を使ったと批判されています。

外交政策の失敗

韓国は経済は中国、国防はアメリカという姿勢でいますがこれが揺らいでいます。

文在寅は北朝鮮寄りなので、北朝鮮や中国とも仲良くやって行こうというスタンスです。一方で、韓国は基本的に朝鮮戦争以来、アメリカや日本と良好な関係を築いてきました。そのため、アメリカや日本から不信感を抱かれています。

特に、日本とは慰安婦問題や徴用工問題で日韓関係が戦後最悪と言われるほど悪化します。そして、アメリカからは、日米寄りか北朝鮮や中国寄りなのかはっきりさせられる事態になっています。

ちなみに、2021年に日米が共同声明を出して中国に対して強硬姿勢を明確にしました。そのため、日米寄りならば韓国もこれに同調する必要があり、中国との経済的関係を切り離したくない韓国にとって難しい決断を迫られています。

まとめ

今回は韓国の次期大統領選挙と文在寅政権の問題点についてご紹介しました。

若者に人気がありそうなのは、ベーシックインカムを提唱する李在明ですが、文在寅に対抗した尹錫悦もリーダーシップがあって大統領になりそうです。

また、文在寅政権は問題が山積みなので、もしかしたら新しい風を吹かせるために尹錫悦という選択を韓国国民は選ぶかもしれませんね。

ぜひ、参考にしてみてください。

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