竹島問題の韓国と日本の主張を簡単に分かりやすく!原因や解決策は?

竹島問題とは、竹島(韓国名:独島ドクト)を巡る日本と韓国の領土問題です。

韓国側と日本側はそれぞれ竹島に関して主張をしていますが、どういった内容なのでしょうか。

また、現在は韓国が実効支配をしていますが、ここに至るまで何があったのでしょうか。

簡単に分かりやすく解説します。

竹島問題とは?発生原因は

竹島は日本と韓国の両方が領土の主張をしている問題です。

日本政府は「初めから日本固有の領土である」で領有権の紛争があるという立場ですが、韓国が実効支配しています。

発生原因

竹島問題が発生した原因は、1952年に韓国が設定した国境線に問題があります。

そして、日本が領土を放棄したサンフランシスコ平和条約との解釈の矛盾が日韓双方に生じているのが大きな問題です。

なぜこのようになったのか、歴史的事実を見ながら紐解いていきましょう。

竹島に関する韓国の主張

竹島に関する韓国の主張は主に2つです。

  • 1952年の李承晩ラインで韓国が竹島を実効支配
  • 韓国の古い文献に竹島が出現して古くから認知していた

韓国は竹島を古くから認知している自国の領土であるという立場です。

後に日本が1910年から朝鮮半島を統治し始めますが、敗戦後に日本は朝鮮半島の領土を放棄したので、その放棄した中に竹島も含まれるという解釈を行っています。

つまり、竹島も韓国の領土として返ってきたという主張です。

1952年の李承晩ラインで韓国が竹島を実効支配

1952年1月に当時の李承晩大統領が、韓国周辺の漁業管轄権を主張する李承晩(りしょうばん)ラインを提唱します。

その中に竹島は組み込まれていました。

そして、1954年に韓国沿岸警備隊が竹島に駐留するようになります。

 

ちなみにこの李承晩ラインを根拠にして、多くの日本漁船が拿捕されたり、日本人が抑留されたりしています。

特に1953年の第一大邦丸事件では、日本の漁船が突如韓国警備艇の攻撃を受けて、民間の日本人が殺害され虐待されました。

韓国の古い文献に竹島が出現して古くから認知していた

韓国の古い文献である「三国史記(1145年)」などを見ると、「于山島(うざんとう)」が出てきます。これこそが現在の竹島であり、当時は竹が生えて多くの人が住んでいたと言っています。

また、安龍福(あんりゅうふく)という人物は17世紀に、日本に対して竹島が朝鮮領であると抗議して、日本と朝鮮の交渉が始まって竹島は朝鮮領となり、日本人の竹島渡航が禁じられたと韓国は主張しています。

竹島に関する日本の主張

外務省によると、竹島に関して日本は以下の3つの点を主張しています。

  1. 竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかに我が国固有の領土です。
  2. 韓国による竹島の占拠は、国際法上何ら根拠がないまま行われている不法占拠であり、韓国がこのような不法占拠に基づいて竹島に対して行ういかなる措置も法的な正当性を有するものではありません。
  3. 我が国は竹島の領有権をめぐる問題について、国際法にのっとり、冷静かつ平和的に紛争を解決する考えです。

出典:外務省『竹島 なぜ日本の領土なのかがハッキリわかる!竹島問題10のポイント』

日本は古くから竹島を認知

日本は古くから竹島を認知していましたが、韓国が古くから「于山島(うざんとう)」という名前で竹島を所有していたことに関しては、現在の大きさや位置と合わせると、存在しない島であると言っています。

そして、日本は17世紀半ばには竹島の領有権を確立しました。

また、竹島の近くに韓国領の鬱陵島(うつりょうとう)があります。

江戸時代は鬱陵島の渡航が禁止される一方で、竹島への渡航は禁止されませんでした。

韓国はこの時に安龍福という人物の抗議をきっかけに、交渉によって竹島は朝鮮領となって日本人の竹島渡航は禁止になったと主張していますが、禁止されたのは鬱陵島です。

その後、1905年に閣議決定をもって竹島を島根県に編入しました。

サンフランシスコ平和条約で竹島は放棄していない

日本は1951年のサンフランシスコ平和条約で、朝鮮独立を承認するとともに済州島、巨文島及び鬱陵島を含む朝鮮の領土を放棄します。

ちなみにこのタイミングで韓国側はアメリカに「日本が朝鮮並びに済州島、巨文島、鬱陵島、独島及びパラン島を含む日本による朝鮮の併合前に朝鮮の一部であった島々に対するすべての権利、権原及び請求権を1945 年8月9日に放棄したこと」にさせるように書簡を送っていました。

こちらは後にアメリカ側から否定されています。

 

また、日本がまだ占領されていた1951年には竹島で米軍の爆撃訓練が行われていました。

つまり在日米軍が竹島を使用していたということは、竹島が日本の領土であることと同じです。

なぜ李承晩ラインに対抗しなかったか

1952年4月のサンフランシスコ平和条約が発行される直前の同年1月に韓国は李承晩ラインを制定して竹島の領有権を主張しますが、この時の日本は国家としての主権がありません。つまり、何もできない状態でした。

サンフランシスコ平和条約前まで、GHQが日本漁業の操業区域として示したマッカーサーラインがありました。しかし、こちらはサンフランシスコ平和条約発効で無効化されます。

韓国側はこの隙をついて李承晩ラインで竹島の実効支配を強めるのでした。

竹島問題は日韓基本条約で棚上げ

竹島問題は1965年に結ばれた日韓基本条約で棚上げになります。

この背景には、日韓が竹島密約で合意していたと言われています。内容は以下の通りです。

  1. 独島は今後、韓日両国ともに自国の領土と主張することを認め、同時にこれに反論することに異議を提起しない
  2. 将来、漁業区域を設定する場合、両国が独島を自国領土とする線を画定し、2線が重複する部分は共同水域とする
  3. 現在韓国が占拠した現状を維持する。 しかし警備員を増強したり新しい施設の建築や増築はしない
  4. 両国はこの合意をずっと守っていく

出典:Wikipedia『竹島問題』

この密約は現代では守られていないことになりますが、その裏に北朝鮮と韓国の対立があったと言われています。

韓国側は、日本が韓国を朝鮮半島を代表する政府だと認めて、経済発展に必要な資金を援助してもらうという思惑がありました。

一方で、世界ではベトナム戦争が起こっており、アメリカは同盟国との結束を強めようとしていました。そのためには、日韓の関係を改善しないといけないというアメリカの強い後押しもあって日本は韓国との国交を回復するのでした。

竹島問題の解決策

竹島問題の解決策は、国際司法裁判所で領有権が日韓のどちらにあるかはっきりさせることです。

国際司法裁判所は、ICJとも呼ばれて、オランダのハーグにある国連の主要機関です。国家間の紛争などを解決する役割があります。

日本は、1954年、1962年、2012年に竹島がどちらの領土か国際司法裁判所に領有権の判断をしてもらうように求めましたが、当事者国である日韓双方が領有権をはっきりさせる意思があって初めて国際司法裁判所は動きます。韓国はこれを拒否しているので、国際司法裁判所での判断は行われていません。

韓国は領土問題は存在せず竹島は明確な自国の領土であるので、国際司法裁判所でそれを説明しなければならない理由もないと主張します。

そのため、平和的に解決するためにはまず韓国に協力してもらうことが不可欠です。

まとめ

今回は竹島問題について解説しました。

竹島問題について日本は問題の存在について認めていませんが、争っているのは確かです。

しかし、国際法にのっとり、冷静かつ平和的に紛争を解決することを方針としているので、対話で解決することが望まれます。

国際情勢の変化などやトップ同士の関係によって、解決に至る可能性もあります。

私たちはこの問題について理解を深めてその時を待つのが適切です。

ぜひ、参考にしてみてください。

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