タイは東南アジアの仏教国で独自の文化を持っています。
そんなタイの文化の特徴はどういったもので、文化遺産は何があるのでしょうか。
日本との文化の違いや、食文化と合わせてご説明します。
タイ文化の特徴
タイの文化的な特徴や習慣には以下のようなものがあります。
- 王様がいる
- 仏教国である
- タイ中部は高床式住居
- みんながマイペース
- プライドが高め
王様がいる
タイは13世紀のスコータイ朝以降、優れた王様の下で発展してきました。現在では、政治を主導するのは首相ですが、元首である国王は信頼と尊敬が集まっています。
たとえば、プミポン前国王は環境保全や伝統文化の保存など、王立プロジェクトを立ち上げた実績を持ちます。さらに反政府デモと政府の仲裁を保つなど多大なる貢献をしていました。
仏教国である
タイは上座部仏教の国で、男子は出家、女性は寺院の修復のために寄付を行うといった文化があります。これらは徳を積む行為だと考えられており、仏教の価値観が社会に根付いています。
たとえば、間違いの罪を犯した人は憎まないというような思想も仏教の心構えのひとつです。
タイ中部は高床式住居
タイ中部には高床式住居が並んでいます。
特に観光地としても有名なアユタヤは河岸に家が並んでいますが、理由は洪水による被害を防ぐために高床式を採用しています。
また、通常時に床下には車やテーブルなどを設置して使っている家もあります。
みんなマイペース
日本人がきっちりしすぎなのもありますが、タイではは基本的にみんながマイペースです。
時間的な側面もそうですが、少し前は「タイ人は並ばない」と言われていたほどマイペースにそれぞれが行動しています。
プライドが高め
タイ人はプライドが高いと言われています。
日本人のように、まわりに合っていることで安心感を得るのではなく、個人が尊攘されることに安心感を抱きます。
また、タイ人の失敗を大声で攻めたり、指で指し示すことはタブーとされているので注意が必要です。
タイの文化遺産
タイの文化遺産は以下のようなものがあります。
- スコータイ
- アユタヤ
- バンチェン遺跡
それぞれ見てみましょう。
スコータイ
スコータイはバンコク北部にあり、初めての王朝であるスコータイ王朝が1238年に始まった場所です。当時の寺院や遺跡が残っています。
1991年に世界遺産に登録されて、5つのエリアに分かれています。
アユタヤ
アユタヤはバンコクの北部にあり、スコータイより近い位置にあります。1351年にアユタヤ 王朝がはじまり、ヨーロッパなどの世界と貿易をしたことにより発展しました。
アユタヤにもワット・プラ・シーサンペットといった寺院が残っており、ちょっとしたバンコクからの小旅行にはぴったりな場所です。
バンチェン遺跡
バンチェン遺跡はラオスとの国境近くにあり1992年に世界遺産に登録されました。
紀元前2、3000年ごろの集落跡で土器や青銅器が見つかりました。当時の東南アジアの中でも高い技術力と文明があったことが分かっています。
歴史的建築物:三大寺院
また、歴史的建造物はバンコクに三大寺院と呼ばれる以下のようなものがあります。
- ワット・ポー
- ワット・アルン
- ワット・プラケオ
タイの歴史的文化
歴史的にタイの文化は、食文化など中国からの影響を受けています。一方で宗教や思想などはインドの影響を受けました。
たとえば、陶器づくりは明王朝の技術がタイにも伝わって、日本にもタイのサンカローク焼が輸入されました。
また、19世紀初頭に中国の南部からタイに移民が流入して貿易などを行ったため、華僑文化も歴史的に根付いています、たとえば、中華の寺院や中華料理店などです。
タイの結婚
タイの結婚式の特徴は以下のようなものがあります。
- 会場はホテルか新婦の家が多い
- 結納金とともにゴールドもあげる
- 招待するゲストは数百人
会場はホテルか新婦の家が多く、ゲストには200人から1000人が呼ばれます。
また、結納金とともにゴールドも一緒に送るという習慣があり、金額にすると、2万バーツ~10万バーツ(約6万6000円から33万円程)の金です。
タイの音楽文化
タイにはガムランという伝統音楽があり、太鼓の壁画の資料にもその痕跡が残されていますが音楽そのものに対する記録はありません。
しかし、13世紀のスコータイ王朝では、インド、クメール、中国の音楽要素を取り入れた音楽が発展します。特にカンボジアのクメール文化の影響を受けました。
また、19世紀に成立した現在のチャクリー王朝時代に、現在の王宮の儀式や公務などで演奏する音楽形式が確立されます。そして、20世紀に入って西欧の音楽がメジャーになりますが、一方でタイの伝統的な音楽も保護されており、伝承と活性化がされています。
また伝統的な楽器には以下のようなものがあります。
- タポーン(太鼓)
- ラナート(木琴、鉄琴)
- スン(弦楽器)
- コンウォンヤイ(打楽器)
タイの歴史的な舞踊
タイには、指先の芸術と言われるほど、指や手のひらを華麗に動かす舞踊があります。アユタヤ王朝時代から存在して、「ラーマキーエン」「マノーラー」という作品が有名です。他にも内容や表現方法がタイ舞踊によってさまざまです。
また、タイ舞踊が鑑賞できるレストランもあります。
タイの歴史的な民族衣装
タイの民族衣装には以下のようなものがあります。
- 男性:スア・プララーチャターン
タイの王族の正装、政治家も着用。結婚式等では一般人も着用。 - 女性:シワーライ
綿やシルクで作られる。ホテルスタッフやウェイトレスが着用
タイと日本の文化の違い
タイと日本の文化を比較してみると、以下のような違いがあります。
- タイの労働法では、1年に30日までの病欠が有給扱いになる
- 朝8時と夕方6時になると国歌が流れる
- ビールに氷を入れる
- 屋台が多いため外食が多い
- 禁酒日が存在する
タイの食文化
タイの代表的な料理には以下のようなものがあります。
- タイカレー
- パッタイ(焼きそば)
- ヤム(タイ風サラダ)
- トムヤムクン(スープ)
- カオマンガイ(チキンライス)
- ソムタム(スパイシーなサラダ)
- ヤムウンセン(春雨ヌードル)
- ガパオライス
- ポピアソット(生春巻き)
- カオニャオ・マムアン(フルーツデザート)
タイ料理の歴史
タイ料理は6世紀から13世紀に中国から移民してきた人々によって土台が作られたといいます。そのため、中華料理がタイ料理のベースになっています。
また、中世のアユタヤ王朝時代には、アジアだけではなくヨーロッパとの交流があったためタイ料理もインドやヨーロッパなどさまざまな国の影響を受けて現在のタイ料理として発展しました。
タイ米の歴史
タイの稲作の歴史はとても古くて、紀元前7000年から6000年、もしくは紀元前4000年から3000年と言われています。
また、タイの気候に稲作栽培が適していたためタイで米作りが根付いたとされています。
タイカレーの歴史
タイカレーはタイの宮廷で発祥したスープ料理です。そのため、歴史的にはタイのインドカレーとは関係がありません。
また、正式名称はゲーンと言い、外国人が香辛料を利かせてカレーに似ているという理由でタイカレーと名付けました。
タイ文化に関するおすすめ本
一番簡単なタイの入門書は「タイのことがマンガで3時間でわかる本 (アスカビジネス)」です。マンガなので楽にインプットが可能です。
「タイの基礎知識」はタイで生活するのにぴったりな入門書とも言われているほど、文化や歴史などを網羅した1冊です。
一方でカジュアルにタイについて学びたい人には、「タイを知るための72章【第2版】 (エリア・スタディーズ30) 」がおすすめです。学術書のように難しくありません。
また、タイ独自の文化を知りたい方には、「タイのしきたり」がおすすめです。
まとめ
今回はタイの文化についてご紹介しました。
タイには独特な文化があって、非常に魅力的です。
また、インドや中国の影響を受けているのも面白いですね。
ぜひ、参考にしてみてください。
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