日米同盟の歴史をわかりやすく解説|メリットやデメリットは?

|日米同盟(Japan-US alliance)は日本と世界の安全を守ってきました。

この日米同盟はどのような歴史を歩んできて、メリットやデメリットはどういったものがあるでしょうか。

問題点と合わせてわかりやすくご説明します。

日米同盟の歴史と変遷

日米同盟は、時代とともに変遷してきました。大きく分けて、以下の3つの時代区分が存在します。

  • 旧安保条約時代
    米国の防衛義務が不明確な時代
  • 新安保条約時代
    米国が日本を守ることを明確にした時代
  • ポスト冷戦時代
    日米が連携して紛争やテロなどに対処する時代

特に重要なのは、旧安保条約と新安保条約の違いです。

  • 旧安保条約
    日本を独立国として扱っておらず、不平等
  • 新安保条約
    日本を独立国として扱う

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1951年〜1957年旧安保条約時代

吉田内閣下で「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約(日米安全保障条約)」が1951年9月に署名され1952年4月に発行されました。

日米安全保障条約を署名する前日の1952年9月8日、日本はサンフランシスコ平和条約を結びます。この条約によって戦争状態は終わって、連合国の占領が終結して日本の主権が回復します。

しかし、国際社会では朝鮮戦争が1950年から53年まで発生し、日本は共産化の危機がありました。

その流れを受けて日米安全保障条約が締結されますが、以下の問題点がありました。

  1. 米国の日本防衛義務が不明確
  2. 日本の内乱に米軍が出動できる規定がある

つまり、アメリカ側の方が有利な内容になっていたのです。

1957年〜1991年新安保条約時代

1957年、当時の岸内閣はアメリカ側が有利になっていた内容を改訂するために、日米間で交渉を開始します。

そして、1960年に新しく​​「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(現日米安全保障条約)」が結ばれます。この条約では、旧安保条約と比べて以下の点が改善されました。

  1. 米国の日本防衛義務が明確化
  2. 日本の内乱に米軍が出動できなくなる(内乱条項削除)
  3. 米軍が軍事行動を取る際に事前協議を行うようになる

以後、日米安保条約は10年間で自動更新されることになります。

60年安保闘争

1959年から1960年にかけて、以下の理由で日米安全保障条約に反対する安保闘争が起こりました。

  • 改定されたら米国の戦争に巻き込まれる恐怖
  • 在日米兵犯罪免責特権の批判

在日米兵犯罪免責特権の批判とは、日本が在日米軍の裁判権について重要な事案以外放棄していることについての批判です。反米感情に火がつき、大きな闘争につながりました。

結果的に、改正の安保条約は国会で強行採決され、岸内閣は責任をとって総辞職しました。

ガイドラインの制定

1970年に日米安保条約の更新期限を迎えます。その時に再び反対する人たちによって、安保闘争が起こるのでした。

一方で、日米間で有事の際にどう連携し合うのかという話し合いは行われてきませんでした。そこで75年に三木総理(当時)とフォード大統領(当時)は会談を行い、76年に日米防衛協力小委員会の設置で合意します。

そして、この委員会を通じて78年に「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」が策定されて、以下のような日米間の行動につながります。

  • リムパック(ハワイの周辺海域での軍事演習)へ参加
  • 日米共同方面隊指揮所演習へ参加

これらがきっかけで、日米の共同訓練がさらに活発化するのでした。

1991年〜冷戦後の日米同盟

1991年にソ連が崩壊して、冷戦は終結します。これによって日本が共産化する可能性は少なくなりました。

一方で、北朝鮮の核開発や各国の紛争など新たな脅威が生まれます。

この国際情勢を受けて1996年に日米安保共同宣言が発表されて、97年にガイドラインの見直しが行われます。そして、日米間はよりいっそう緊密になって、「世界の中の日米同盟」へと進化していきます。

日米同盟のメリット

日米同盟のメリットは以下のようなものがあります。

  • アメリカの核の傘に入れる

日米同盟があれば、核兵器を所持して圧倒的な強さを誇るアメリカの軍隊から身を守ってもらえます。

日本には自衛隊がいますが、核兵器を持っているわけではありません。

日米同盟のおかげで圧倒的な戦力を手に入れられます。

日米同盟のデメリット

日米同盟のデメリットは以下のようなものがあります。

  • 米軍による事件が多発する
  • 思いやり予算が必要

沖縄など米軍関係者が日本人を殺害するなどといったトラブルが多発しています。

また、在日米軍の駐留経費のうち、基地従業員の人件費、光熱水料、基地内の建設費など、2021年度には2017億円を日本は負担しています。

日本の防衛に直結することなので思い切って削減ができない上、自主防衛となるとさらに費用がかかるため廃止には至っていません。

日米同盟の破棄はできる?

日本の置かれた環境を考えると、日米同盟は破棄できません。

自主防衛をするとなると、思いやり予算以上の費用が必要です。また、徴兵制といった話も始まるので日本では難しいでしょう。

日米同盟の問題点

日米同盟は戦後から現在まで機能してきましたが、日本で実際の有事は経験していません。

つまり、実際に戦争が起こりそうな時どれほどアメリカが日本を守るかが不明です。

特に尖閣諸島は中国と日本が領土争いをしていますが、もしこの土地が盗られた時にアメリカ軍が無人島をどれだけ本気で守ってくれるのかは不明です。

もし、アメリカ国内で反戦ムードが高まれば、戦地から手を引いてしまうかもしれません。

まとめ

今回は日米同盟についてご紹介しました。

アメリカの防衛力があるから日本は安全で守られています。また、形を変えて日米同盟は政界平和にも貢献しています。

ぜひ、参考にしてみてください。

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