タイは東南アジアの国であり、現地で暮らす日本人も多いです。
しかし、タイにはさまざまな社会問題が存在します。
そこで今回はタイの9つの社会問題についてご紹介します。
観光:観光客が多すぎで観光破壊に
タイでは、観光客が増加しすぎて環境問題に発展しています。
2019年時点では観光客数が年間4000万人ですが、2030年には6500万人ほどに増加すると言われています。
そのため、サンゴの損傷、プラスチックなどのゴミ、過剰な下水による海の汚染といった問題が発生しています。
経済:地域の格差が大問題
タイ経済は地域の格差が問題となっています。
バンコク周辺部、製造業が集積する東部とその他の経済格差が大きく、都市部か地方向けの政策かで政治的な混乱につながっています。
政治:政情が不安定
タイは政治情勢が不安定で定期的に軍事クーデターが起こっています。また、それに伴い大規模なデモが発生してます。
旅行者であっても、政治的な運動に巻き込まれる可能性があるというのは、問題のひとつです。
教育:民族問題が教育格差になる
タイの国境付近とバンコクにはミャンマーからの移民労働者がいます。彼らは低賃金の労働にしか就けないため、子どもたちは教育を受けるのが困難です。
また、山岳民族でスラムに暮らす子供たちは両親が住民票登録をしていない場合もあり、出生証を持たないため法的に教育の機会を持っていない側面もあります。
麻薬:減らない麻薬事件
タイは薬物に関しての法律が非常に厳しくて最高刑は死刑です。
しかしながら、タイは薬物天国となっており、薬物依存者が300万人以上いると毎日新聞が報じています。ミャンマーで生産された覚醒剤がタイに流れ込んだり、ヤーバーと呼ばれるメタインフェタミンやカフェインを混ぜた覚醒剤が広まったりしています。
一方で麻薬で逮捕された人が多すぎて、刑務所のキャパシティを超えてしまい収容ができないという問題も抱えています。
交通:バンコクの渋滞がひどい
タイの交通問題としてあげられるのは、バンコクの交通事情です。インドネシア同様に渋滞が大きな問題になっています。
特に以下のようなことがバンコクの渋滞を作り出していると言われています。
- 信号機が少ない
- 道路がきちんと整備されていない
- 自動車の数が急増している
- 運転が荒くて事故が多い
- 豪雨が多発して運転時に視界が悪くなる
民族:山岳部の少数民族が貧困に
タイには山岳部に少数民族がいます。
タイの少数民族は隣国である中国、ミャンマー、ラオスとの政治的、民族的な対立が理由でタイ政府から国民として正式に認められていません。2018年にニュースになったタイの洞窟事件の少年たちも無国籍者がいました。
国籍がないので公教育が受けられず、タイ語が話せないので薬物犯罪や生産業に従事せざるを得ない問題があります。
タイにおけるカレン族の問題
タイ国内で主にチェンマイ、メーホンソン、チエンライなどの山岳地帯に住むカレン族は、政府の政策や開発プロジェクトの影響で、土地権利の侵害、人権侵害、貧困、無国籍、環境問題などの深刻な問題に直面しています。
- 土地権利の侵害
- 人権侵害
- 貧困
- 無国籍
- 環境問題
では、順を追って説明しましょう。
土地権利の侵害
カレン族は伝統的に山岳地帯で焼畑農業を営んできましたが、タイ政府の開発計画や森林伐採により、その伝統的な生活様式や文化が脅かされています。
土地権利が認められていないため、強制的に土地を追われたり、移住を余儀なくされたりするケースも多く見られます。
人権侵害
タイ政府軍とカレン民族解放軍(KNLA)との長年にわたる紛争により、カレン族の村が襲撃されることが頻繁にあり、多くの住民が犠牲になっています。
また、タイ軍による拷問やその他の人権侵害も報告されており、状況は一層深刻です。
貧困
カレン族は教育や医療などの基本的なサービスへのアクセスが限られているため、高い貧困率に苦しんでいます。
特に山岳地帯に住むカレン族は現金収入が少なく、食糧不足や栄養失調などの問題に直面しています。
無国籍
多くのカレン族は出生登録がされていないため、無国籍状態にあります。
無国籍であることで、教育や医療などの公的サービスを受けられず、社会参加の機会も制限されています。
環境問題
森林伐採や開発計画の影響で、カレン族が住む地域の環境が悪化しています。
土壌流出や水質汚染などの問題が深刻化し、カレン族の生活や健康に悪影響を及ぼしています。
解決に向けた取り組み
カレン族の問題解決に向けて、様々な取り組みが行われています。
- 国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)や人権団体など、国内外の組織がカレン族の保護や支援活動を行っています。
- カレン族自身も、自分たちの権利を守るための活動や、伝統文化の保存活動を行っています。
- タイ政府もカレン族の問題解決に向けた取り組みを進めていますが、課題は依然として多く残っています。
今後の展望
カレン族の問題解決には、タイ政府、国際社会、そしてカレン族自身による協力が必要です。カレン族の権利が尊重され、持続可能な生活が送れる社会の実現に向けて、今後も取り組みが続けられていくことが重要です。
農業:生産性が低いタイの農業
タイは国土の40%が農地であり、国民の40%が農業関係者です。
しかし、農業の生産性が著しく低いです。その理由として農業関係者の教育レベルが低いことがあげられます。
農作物を売るための経済的知識や価格交渉などができないため、生産や出荷がうまくできません。
また、現在機械を使って農業のスマート化を推し進めており生産性の向上も期待されています。
水:汚染された水に注意
タイの水道水は飲む前提で作られていないので、配管がサビだらけなこともよくあります。そのため、旅行者も水道水を飲むべきではありませんが、川の水も同じように問題があります。
タイには川が多くありますが、同省公害管理局の2016年の調査によるとタイの主な川59ヶ所中、43%の川の水質は標準状態で34%の川の水質はよい状態です。一方で、 23%の川の水質は悪い状態です。
およそ20%が臭いなどの水質汚染が深刻ですが、水処理場の運営やメンテナンスがしっかりしていないことに加えて、川にごみを大量に捨てるなど国民の環境意識が欠落しているので改善にいたっていません。
まとめ
今回はタイの労働問題についてご紹介しました。
タイはバンコクを中心に経済発展を続けていますが、その裏には問題が存在します。
ぜひ、参考にしてみてください。
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