【インドネシア政治】情勢から体制や大統領選挙、歴史まで解説

インドネシアは大統領制を採用しています。

日本で見るインドネシアのニュースはデモが多いですが、インドネシアのの政治はニュースに映らないような問題点や歴史があります。

そこで今回はインドネシアの歴史体制について解説します。

インドネシアの政治体制

インドネシアは大統領が存在する共和制国家です。

大統領の選出制度

大統領選挙には誰でも出馬できるわけではなく、大統領選挙法によって間近の選挙にて有効投票総数の25%を獲得、もしくは議席の20%以上を獲得した政党か複数政党の連合のみが大統領候補を擁立できるようになっています。

また、第五代までの大統領と副大統領は、国民議会と地方代表議会からなる国民協議会の決議で選出されていました。しかし、六代目以降は国民からの直接選挙で選ばれており、正副大統領ペアで立候補しなければなりません。

そして、大統領の任期は五年一期で再選は一度のみなので、最大で10年までです。

議会

インドネシアの国会( People’s Representative Council 、Dewan Perwakilan Rakyat, DPR))は575名であり、地方代表議会(Regional Representative Council、Dewan Perwakilan Daerah)は165名です。どちらも任期は5年となっています。

また、憲法改正、大統領と副大統領の任期中の解任を決定可能な国民協議会(MPR)は、国会議員575名と地方代表議員136名の合計711名となっています。

国会議員はインドネシア各地に設けられた選挙区からそれぞれ数名を選ぶ比例代表選挙で選ばれます。一方で、地方代表議員は、有権者が1人の候補者を選んで投票し、得票の多い順に所定の人数が当選者となる単記非移譲式投票にて選出されます。

また、インドネシアでは、17歳から選挙に行けますが、17歳以下でも結婚すると投票が可能です。

インドネシア政治の情勢

インドネシアの分断

インドネシアでは、2019年に大統領選挙がありジョコ・ウィドドが大統領に選出されました。しかし、選挙結果を認めない一部の民衆が暴徒化して6人が死亡するという事件も起こっています。

もともと、2019年の大統領戦は2014年の時と同じく、ジョコ・ウィドドと、軍人のプラボウォ・スビアント氏の戦いになり、二人の支持層はかなり異なっています。ジョコ・ウィドド大統領の支持層は穏健イスラムと非イスラムです。

一方のプラボウォ・スビアント氏の支持層はイスラムの保守層で、以下のような意識が強いです。

  • 国の政治や法律、社会規制に厳格なイスラム的価値を反映させるべき
  • 国民の多数であるムスリムは経済的に優遇されるべき

ジョコ・ウィドド大統領が55%、プラボウォ・スビアント氏が44%という勢力図なため、分断が深まったという見方を識者はしています。

インドネシアの政治情勢

インドネシアは建国100周年の2045年に向けて先進国入りを目指しています。特に人材の育成やインフラ開発、経済規制緩和などの政策を重点的に取り組む予定です。

また、現在のジョコ大統領は2014年に当選して以来、以下のことに尽力してきました。

  • インフラ整備
  • 社会保障拡充
  • 格差是正等の経済・社会政策

迅速で目に見えやすい政策であり、ジョコ大統領の経験不足が指摘されましたが政治基盤は安定しています。また、2019年の分断された選挙結果を受けてプラボウォ・スビアントを国防大臣として閣内入りさせました。

インドネシア政治の歴史

独裁ながらも黎明期を作ったスカルノ

インドネシアは1945年まで日本が支配していました。その前はオランダが植民地化していたので、日本の敗戦後はオランダが再統治することになりかけましたが、インドネシアに残った日本兵等の活躍もあって独立に成功します。

そして、初代大統領にスカルノが就任して、「1950年憲法」を制定して議会制民主主義の導入を試みますが、多民族・他宗教なためインドネシアはコントロールできませんでした。そこで、1950年憲法停止して大統領に権力を集中させます。

また、スカルノ大統領は反共主義を掲げていましたが、政治勢力として力を持ちつつあった国軍に懸念を抱いて、インドネシア共産党と接近します。そして、スカルノの批判と軍と共産党の権力闘争が1965年に9月30日事件という軍事クーデターに発展します。

そして、スカルノは辞任するのでした。

開発独裁のスハルト

9月30日事件でスカルノは辞任し、共産党は非合法化されます。そして、スハルトが1968年に大統領になって、外交面では西側諸国と関係を改善します。一方で国内では開発独裁的な体制をとって、インフラや工業を推し進めて経済発展しました。

また、国内では以下のような独立運動も勃発します。

  • 東ティモール独立運動
  • アチェ独立運動
  • イリアンジャヤ独立運動

どれも徹底的にスハルトは押さえ込みました。その後、1997年にアジア通貨危機を経験して、スハルトに経済的不満を持った国民の不満が爆発して1998年5月にジャカルタ暴動が発生します。

自由化された現在のインドネシア

スハルトが退陣したことによって、ユスフ・ハビビが大統領に就任して民主化と権力が分権化されます。そして、選挙を行うようにようになります。

そして、何度か選挙が行われて経済成長もして現在のインドネシアに至ります。

まとめ

今回はインドネシアの政治についてご紹介しました。

大統領制であり以前は権限が大きかったが、民主化もされて権限が小さくなりました。

また、インドネシアの格差是正などに熱心なジョコ・ウィドド政権ですが、今後イスラムの保守勢力とどう向き合っていくのかにかかっています。

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