【中国が抱える問題点】経済格差から高齢化、ゴミ問題まで6つ

中国は世界2位の経済大国ですが、日本と同じように諸問題を抱えています。

たとえば、民族や社会、環境問題です。これらは具体的に何が問題なのなのでしょうか。

詳しく見てみましょう。

中国が抱える民族問題

中国は56の民族がいる多民族国家です。人口のおよそ91%は漢民族ですが、それ以外にも少数民族がいることで、さまざまな問題が起こっています。

その中でも代表的なのはウイグル、チベット、モンゴルを巡る問題です。この3地域は以下のような特色があります。

  • 共通点:少数民族が中心、独立思考
  • 違い:民族、歴史、場所

場所や民族は違いますが、独立運動などを行った過去があるので、中国当局から弾圧されていると言われています。

これについて、アメリカを中心とした欧米各国は中国には人権侵害の問題があるとして制裁を加えました。

中国が抱える社会問題

中国は少子高齢化という深刻な人口問題を抱えています。

少子高齢化の現状

国家統計局によると、中国の2019年の出生数は約1460万人です。2018年からは4%ほど減少しており、この出生数は餓死者が出ていたころを除いて最低の数字です。

このままの人口動態で行けば、2050年には60歳以上の人々が36.5%になります。人数で表せば、約5億人で日本の全人口の5倍です。

なぜ少子高齢化なったのか?原因は?

中国が少子高齢化になった代表的な原因は以下の3つです。

  1. ひとりっ子政策
  2. 女性の社会進出
  3. 生活費の高騰で子供を産む余裕がない

ひとりっ子政策

1979年から2014年まで、中国ではひとりっ子政策が行われていました。この政策は当時、食糧難と人口増加を解決するために行われました。そして、人口動態の問題に直面して2014年に解除され2016年にはふたりっ子政策が実施されています。

女性の社会進出

中国では教育制度も向上して女性も社会進出するようになりました。それに伴って、中国人女性にとって結婚が経済的安定を持たすものではなくなったのです。

生活費の高騰で子供を産む余裕がない

中国では経済成長に伴って都心部を中心に生活費の高騰が起こっています。そのため、子どもを産んだとしても生活費を出してあげられるほどの余裕がないカップルが増加しています。

中国で行われている少子高齢化対策

中国は2021年から高齢化社会への対応を国家戦略として取り組んでいます。具体的には以下のような対策が取られています。

  • 二人っ子政策をさらに緩和
  • 定年年齢の引き上げ
  • 高齢者介護の充実化
  • 年金改革
  • 託児サービスの向上

また、日本は中国よりも30年早く高齢化社会を迎えています。そのため、日本の高齢化社会で生まれた技術やサービスの成功例や失敗例を参考にして中国は対策を取るでしょう。

中国が抱える環境問題

プラスチックごみが大問題

中国では「白色汚染」というプラスチックのごみ問題が特に深刻になっています。中国で消費されるプラスチック流出量は世界一で膨大な量であり海や土壌を汚染しています。

また、世界中からプラスチックの資源ゴミを中国に輸入してリサイクルを行っていました。しかし、中国は2017年から使用済みプラスチックなどの輸入を禁止する措置に出ます。一方で中国国内産業で必要なる工業資源となるものは段階的に停止しています。

対策①:ごみの分別

中国は効率的なごみ減量を行うため2017年に主要都市において、日常的に排出されたごみを分別する法制度を整えました。この法制度は、簡単にいうと時間と場所を厳守してごみ出しすることが徹底されています。個人の違反者には最高3100円が科されます。

また、ITで管理するスマートごみステーションが設置されるようになっています。たとえば、北京では顔認証によって正しい分別先のごみ箱が開き、ごみの分別ルールを守るとポイントがが貯まります。

対策②:ごみ袋有料化

中国ではプラスチックごみ対策として2008年にレジ袋を有料化しています。一枚あたり約2~6円で販売されるようになってから、レジ袋の使用量が6割以上減少しました。

しかし、最近ではデリバリーサービスが増加したことから、また別のプラスチックごみが増加してしまいます。そこで中国政府は2020年にプラスチック製品の販売を禁止したり制限したりするようになります。

中国が抱える格差問題

中国では都心部と農村部で格差問題が深刻化しています。2020年に中国の李克強首相は記者会見にて、「平均月収が1000元(約1万5000円)の人々が6億人いる」と発言しており、その7割が農村に住んでいます。

しかし、この数字はあくまで6億人全員が月収1000元というわけではなく、あくまでも平均値です。

まだ、1日の生活費が1.9ドル(約200円)未満の状態にある人々を絶対貧困層と言いますが、中国には2019年時点でおよそ551万人います。2013年には8249万人ほどだったので、大きく改善していますが、まだ問題は残っています。

中国政府は具体策として、農産物の加工施設を建設して農業生産力を向上させて雇用を創出しています。

中国が抱える領土問題

中国は台湾と香港の問題を抱えています。

台湾問題

第二次世界大戦後に起こった国共内戦で台湾は中国国民党が支配するようになり、中国は中国共産党が支配するようになりました。

中国共産党は、中国国民党を倒してこそ中国を統一できると考えているため、今もなお台湾を併合しようとしています。

香港問題

香港は1997年に中国に返還されます。その時に中国の領土にありながら、香港は50年間ほど独自の制度を保つという一国二制度が約束されました。

しかしながら、50年間経たないうちに中国は香港の選挙制度などに手を加え初めて、一国二制度が守れていないと各国から批判を受けています。

中国が抱えるスマホ問題

中国は発展したスマートフォンなどのIT技術を持っていますが、アメリカなどはHUAWEIやZTEなどといったIT企業が情報を抜き取っている可能性があるとして問題視しています。

私たちが日本でスマートフォンを使用していたとしても、使用している情報などは企業などに抜き取られているので別に情報漏洩は中国に限ったことではありません。

しかし、中国の場合は国家情報法という法律があって、企業が事業を通じて外国企業や個人の情報を知り得た場合、中国政府がそれを欲すれば直ちに企業は中国政府に情報を提供しなければならないという決まりがあります。

ここに気持ち悪さを感じる人が多くいて、中国のスマホ問題として問題化されています。この影響で中国のハイテク企業が世界で戦えなくなるといった可能性もあります。

まとめ

今回は中国が抱える諸問題についてご紹介しました。

中国には数多くの問題がありますが、どれも深刻な問題です。

これらの諸問題を理解すれば、中国の行動も理解しやすいですね。ぜひ、参考にしてみてください。

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