台湾のコロナ対策を簡単にわかりやすく説明!なぜ封じ込めに成功?

今回は台湾のコロナ対策について簡単に解説します。

日本のメディアでも連日、台湾のコロナ対策はすごいと報道されていますが、実際のところ、何がすごいのでしょうか。

この部分をわかりやすく解説します。

台湾のコロナ対策の成功理由

台湾がコロナ初期対策に成功した理由は主に以下の3つです。

  1. 中国からの個人旅行客停止という制裁を受けていた
  2. 過去に起こったSARSの経験
  3. 台湾はWHOに非加盟だったので、独自に対応が可能だった

これらの3つのポイントのおかげで、台湾はしっかりとした新型コロナの対策ができ、さらに独自の対応をしっかりと取ったのでコロナで社会は混乱しませんでした。

順に見ていきましょう。

中国からの個人旅行客停止という制裁を受けていた

まず、新型コロナウイルスが社会問題化し始めたのは2020年の1,2月です。中国の武漢で大変な様子になっているのが、テレビなどで取り上げられていたのが記憶にあると思います。

実は2020年1月には台湾の総統選挙がありました。台湾の総統選挙では、中国とどう向き合っていくかというのが毎回争点にになります。中国側は総統選挙に乗じて、台湾がアメリカとさらなる軍事的なつながりを強めるのを危惧して、台湾に制裁を加えていました。

その制裁内容が、中国からの個人旅行の停止です。2018年時点で、中国から台湾に年間205万人が観光で来ており、そのうち107万人が個人旅行でした。ちなみに日本人は144万人なのであり、台湾にとって中国人観光客は外国人観光客の25%を占めていました。

 

これを受けて、台湾の経済成長率は0.1%ほど下がると言われていて、特にホテルや観光業では大きな経済的な打撃になると予測されていました。

一方、新型コロナウイルスはヒトと人の接触によって感染します。また、初期の頃は中国の武漢に滞在履歴のある人を介して新型コロナウイルスが蔓延するのでした。中国からの個人旅行客を制限されていたのが逆にコロナの押さえ込みに効きました。

日本では、中国人が移動する旧正月の時期に人の移動の制限をしなかったので、あっという間に広がりました。

過去に起こったSARSの経験

2002年から2003年にかけて重症急性呼吸器症候群(SARS)がアジアやカナダを中心に流行しました。新型コロナウイルスと似ていて、飛沫による感染が主で、潜伏期間は2日から7日間程度でした。

台湾では、2002年11月1日から2003年7月7日にかけて674人が感染して、84人が亡くなりました。中国や香港はもっと死者数が多かったのですが、その次に台湾が多く台湾も対岸の火事状態ではなかったのです。

また、台湾では当時、感染者を出した時に台北市立和平医院で感染源となった患者を見逃すという失態を犯し、院内感染を起こしてしまいました。

 

また、感染の拡大の危険性があるのに病院と台北市の行政は初期対応を何もしませんでした。台北市立和平医院では、感染の隠蔽もあったのではないかと言われています。

そして、行政院は何の前触れもなく、病院の施設を隔離して医療従事者や患者も家に返さずに14日間封鎖するという措置を行ったのです。

この時の混乱があったので、次の感染症では同じ失敗を繰り返さないという意識が高まりました。

台湾はWHOに非加盟だったので、独自に対応が可能だった

台湾は国際連合の専門機関であるWHOに加盟していません。これには国際政治の知識が必要ですが、台湾は以前、中華民国として国際連合に加盟していました。しかし、1971年のアルバニア決議で中華民国は常任理事国の椅子を失って、中華民国は国際連合を脱退しましたん。

これには中華人民共和国の影響があります。「本物の中国は中華人民共和国だ(一つの中国原則)」と中国は考えているので、台湾は目障りなのです。以後、WHOから出た台湾は中国からさまざまな嫌がらせを受けてきました。

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また、台湾はWHOにオブザーバーという特別な立ち位置で総会に関わろうとしていますが、中国は一つの中国原則を主張して、台湾が自らを中国領土と認めたら参加可能と言っています。

その一方で、日本などは新型コロナウイルスが発生したときに、WHOの発言や考えに沿って行動をしたため、手遅れになったという面がありますが、台湾の場合、WHOに加入していないため、独自に迅速な対応ができたという背景もあります。

台湾のコロナ対策の具体例

台湾のコロナ対策の現状

台湾のコロナ対策は成功しています。2021年2月18日までのデータでは、感染者数の合計は938人、死亡者数は9人と、他の国に比べて低く押さえ込めています。

では、その背景には何があったのでしょうか。

感染発覚者への対応

感染者が発生した場合、感染発覚から14日前までの全ての足取りを調査されます。そして、「明確な濃厚接触者」「濃厚接触もしくは接触可能者」「公開した同一時刻同一場所にいて症状のある人」を炙り出します。

ちなみに、台湾の濃厚接触者は「感染確定者と1〜2メートル以内で15分以上接触した人」と定義されています。

もし、感染者が感染経路について嘘の報告をした場合、伝染病防治法43条の違反になり、最低でも6万元(日本円で20万円程度)の罰金になります。

また、プライバシーにも配慮しており、家族や交友関係、学校や職場、会員制クラブなど特定の場所などの情報については世間に公開せずに、防疫の措置が取られます。

ホテルでのコロナ対策

2020年12月、「部屋の外に8秒間出ただけで、罰金が37万円」という台湾のニュースが世間を賑わせました。感染対策の一環として、入境する人々に厳格な隔離措置があるのがきっかけで発生した事件です。

飛行機に乗る前に、台湾の感染症に対処する衛生福利部の情報システムに個人情報の登録を求められます。そして、到着してから14日間の在宅隔離について説明を受けて政府専用のタクシーで移動します。公共交通機関は利用禁止です。

そして、隔離期間中は毎日、衛生福利部に体温と体調の報告を行います。また、その時に出るゴミなどにも細かに規則が決められていて、GPSで位置情報を警察と政府から管理されているので、移動やスマホの電源を落とすとすぐに担当者がやってきます。

これだけで日本円で40万円近い罰金を科されるのです。

公共交通機関でマスク着用義務化

公共交通機関や映画館ではマスク着用が義務化されており、違反すると最高で1万5千台湾元(約5万5千円)の罰金が科されます。

天才IT大臣オードリー・タンのマスク管理

日本では、「新型コロナウイルス予防にマスクが有効」だという情報が出回ったころから、マスクがどこの店頭からも売り切れてしまいました。こうしたことは、どこの国でも起こりうることで、台湾も例外ではありませんでした。

しかし、台湾ではそうならないように2020年2月3日から台湾のマスクを政府が買い上げて、マスクを実名性で販売するようにしました。この過程で一番活躍したのは唐鳳(タン・フォン、オードリー・タン)という台湾のIT担当大臣です。

オードリー・タンは全6000カ所以上のマスクを販売しているお店の在庫を3分ごとに見ることができるアプリを作り、マスク不足の不安を台湾から消し去りました。また、ネットからマスクを予約してコンビニやスーパーで受け取るEマスクというサービスを開発しました。

これらのサービスを続々と開発したことで、日本のメディアに注目されます。さらにオードリー・タン自身の天才に近い経歴やトランスジェンダーであることなどで今もなお注目され続けています。

コロナでも野球開催

2020年の春、日本ではプロ野球の開幕の見通しが立たないままでした。しかしながら、台湾では4月にプロ野球の開幕戦を行いました。最初は無観客でしたが、渡航歴なしの人の感染ゼロの期間が続いたため、1000人の客を入れるようにします。

隣の席を2つ空ける、消毒や検温の徹底などを行い無事に開催されました。しかしながら、マスク着用が義務付けられていたため、台湾の暑さに耐えられない人もいたといいます。

まとめ

今回は台湾のコロナ対策について簡単に解説しました。中国からの旅行客が減っていたことや、SARSの経験があったこと、そして、WHOに入っていなかったので独自の対応を素早く取れました。

また、対応内容も徹底されていたのでした。ぜひ、この記事を参考にしてみてください。

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