マレーシアの経済は発展し続けています。
これまでの経済成長率や今後の見通し、そして、経済の特徴や問題点は何だったのでしょうか。また、経済成長した理由についても詳しく解説します。
マレーシア経済の成長率推移
IMFによると、マレーシアの経済成長率は以下のようになっています。
また、国民経済計算マニュアルによると、GDPの推移は以下の通りです。
年 | GDP(単位:10億リンギット) |
---|---|
1980 | 58.25 |
1981 | 62.95 |
1982 | 68.38 |
1983 | 76.01 |
1984 | 86.92 |
1985 | 84.65 |
1986 | 78.23 |
1987 | 87 |
1988 | 99.11 |
1989 | 112.9 |
1990 | 127.77 |
1991 | 147.17 |
1992 | 164.11 |
1993 | 187.54 |
1994 | 212.88 |
1995 | 242.3 |
1996 | 276.35 |
1997 | 306.91 |
1998 | 308.49 |
1999 | 327.57 |
2000 | 388.17 |
2001 | 384.01 |
2002 | 417.37 |
2003 | 456.1 |
2004 | 516.3 |
2005 | 569.37 |
2006 | 625.10 |
2007 | 696.91 |
2008 | 806.48 |
2009 | 746.68 |
2010 | 833.1 |
2011 | 924.69 |
2012 | 985.05 |
2013 | 1033.09 |
2014 | 1122.16 |
2015 | 1176.94 |
2016 | 1,249.70 |
2017 | 1,372.31 |
2018 | 1447.45 |
2019 | 1510.69 |
2020 | 1415.16 |
2021 | 1563.99 |
マレーシア経済の今後見通し
大和総研のエコノミスト、増川智咲によると、2020年に発生した新型コロナウイルスの影響を受けてマレーシア経済は疲弊しました。
しかし、マレーシアで移動が制限されている中でも製造業の活動は行われているので、アメリカの経済が立て直せばそれに付随して輸出と民間投資が活発になって経済は持ち直すと言われています。
一方で政治的な不安定さが経済成長を妨げるかもしれないと言われています。
マレーシア経済の特徴
マレーシアは電機・電子産業を中心に経済発展してきました。
マレーシア経済の強みは?
マレーシア経済の強みは以下の3つです。
- 英語が通じる
- ASEANの中心地
- 政局が安定
マレーシアでは、国民のほとんど全員が英語を話します。そのため、欧米をはじめとして世界中とビジネスが行いやすいです。
また、6億人の人口を擁するASEANの一員であり、マレーシアのクアラルンプールはシンガポールとならんでASEANの玄関口になっています。労働力が集まりやすい環境が整っています。安い労働力を低コストで提供が可能です。
そして、他のASEAN地域ではクーデターやデモなどが多発しますが、マレーシアではそういった経済活動が止まるほどの事件が起こる可能性がありません。
マレーシア経済の問題
マレーシア経済の課題は?
マレーシアには大きな経済格差が存在します。
マレーシアの7割はマレー人ですが、少数派である中華系民族の方が裕福だという格差があり、1969年には華人とマレー人の間で暴動が起こったほどです。そして、マレーシア政府はブミプトラ政策というマレー人を優遇する政策をとりました。
2010年代に入ると、統計上はマレー人と非マレー人の所得格差はほぼない状態になりました。国民もこの状態に気づいた結果、ブミプトラ政策の支持層、つまり政府の支持層を失うことになります。
そして政府は支持者獲得のためにばら撒きや、製造業への肩入れなど過去の栄光にしがみつくようになってしまいました。民族間の経済格差が新たな問題を引き起こすことになります。
マレーシア経済の成長理由
資源を生かして工業化に成功
マレーシアは天然ガス、ゴム・パーム油などといった天然資源を輸出して農業国として発展してきました。1970年代には工業化を進めて電気や電子産業、製造業で国を発展させます。
そして、1980年代には外貨導入政策を行い、工業を中心に経済成長を成し遂げます。
マレーシアの経済に関する政治の政策
マレーシアは1991年にVISION 2020という経済政策を掲げて、先進国入りを目指してきました。
その続きとして、SPV2030が掲げられて、民族や地域などの間におけるさまざまな格差解消を目標にしています。
マレーシアには経済特区がある
マレーシアには経済特区が存在しますが、日本人と馴染みがあるのは、サイバージャヤです。
マレーシアは先進国入りするために、ITに力を入れました。その結果、サイバージャヤにはIT関連の企業が集まってIT特区となっています。その背景には、最大10年間の法人税免除など税制上の優遇措置が得られる「MSCステータス」を政府が導入したからです。
また、アジアのタックスヘブンと言われている、マレーシアの金融経済特区ラブアン島では法人税率3%または最大20,000リンギット(約55万円程度)に設定されています。
マレーシアの経済動向・ニュースを知るには?
マレーシアの経済動向をチェックするには、JETROのレポートが参考になります。
最新経済ニュースをもとにして、専門家が解説してくれるのでインプットに役立ちます。
まとめ
今回はマレーシア経済について簡単に解説しました。
格差問題はありますが、堅実にマレーシアの経済は成長してきました。
ぜひ、参考にしてみてください。
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