香港の優遇措置とは?アメリカとの関係と合わせてわかりやすく解説

今回は香港の優遇措置について解説します。

2020年にアメリカが香港への優遇措置を停止すると発表したというニュースがありました。正直、優遇措置って何だろうと思った人もいるのではないでしょうか。

そこで、優遇措置とは何か、香港とアメリカの関係はいったいどうなっているのかなど、わかりやすく説明します。

  • 優遇措置も香港発展に貢献
  • アメリカは香港を間接的に操って中国に制裁

香港の優遇措置とは

優遇措置の内容

香港の優遇措置とは一般的にアメリカの香港に対する優遇政策を指し、アメリカが、独自の司法や経済制度を有する香港を中国と違うと見なして香港を中国と同一扱いしないということです。

具体的には、アメリカは香港に対して関税を低く設定して、人的交流を促進するためにビザの発給の簡素化、税関などの手続きも簡単にした上で銀行法や法律の執行などをヨーロッパと同じ扱いにするというものです。

また、「香港ドルと米国ドルの自由な交換を認める」と規定されているため、海外企業が米国と同じような環境で香港でビジネスを行うことが可能です。そのおかげで香港は海外企業を呼び込みやすいというメリットがありました。この恩恵を受けて香港はアジアの金融センターの地位を確立しました。

優遇措置ができた背景

1997年に香港は中国に返還されました。返還が行われる前の1992年にアメリカは「米国-香港政策法」を制定して、香港の扱い方の指針を示しました。その内容が優遇措置で、1997年7月1日、香港の中国返還と共に効力が発生しました。

アメリカが香港優遇措置を止めた

一国二制度が前提の法律

香港の優遇措置の礎となった、「米国-香港政策法」は、香港が一国二制度であるという前提で実施されたものでした。一国二制度とは、中国というひとつの国の中で、香港は高度な自治を2047年まで維持するというものです。

関連記事

今回は香港の歴史をご紹介します。 香港ではよくデモが起こりますが、 その背景には一国二制度という政治体制や中国、イギリスとの関係があります。 少し複雑なので難しいですが、できるだけわかりやすく簡単にご説明します。 香港とは?ど[…]

しかしながら、多くの人が聞いたことがあるように、香港では大規模なデモが起こっています。これは中国政府が香港の一国二制度を守らずに香港に対する統治を強めたことに関して反発を持った香港市民がデモを起こしたのです。

関連記事

2020年に起こった香港のデモがみなさんの記憶に新しいですね。死者も出て、多くの人が犠牲になりました。しかしながら、なぜ香港の人々たちはこれほどデモに本気なのでしょうか。 そこで今回は香港のデモがなぜ起こったか、 国家安全法(香港国家[…]

香港優遇措置を止めたいアメリカの狙い

香港がアメリカから優遇措置を受けていることは、中国に対してもメリットになっていました。香港を使って様々な法の抜け道をくぐり抜けマネーロンダリングなどを行っていました。

アメリカは優遇政策を停止したことで香港を見捨てたのではなく、中国が裏で行っていることを停止してダメージを与えることも狙いだったのです。

2019年アメリカで香港人権・民主主義法が成立

2019年に香港で逃亡犯条例に関するデモが起こり、それを受けてアメリカは「香港人権・民主主義法」を制定します。この法律では、1992年に制定した「米国-香港政策法」に関して、香港の優遇措置を停止することが可能になりました。

また、この法案には香港の自治や人権を侵害した人物に対して、アメリカに入国を禁止する措置を施したり、資産の凍結を行ったりすることが書かれています。

2020年ついに香港優遇措置を停止

2020年7月14日に当時アメリカの大統領だったトランプ氏が香港に対する優遇措置を廃止する大統領令に署名しました。これで香港は中国と同じ扱いを受けるようになりました。その影響で香港の金融都市としての評価が再考されることになります。

また、香港製品の原産地も「中国」と表記されるようになり、関税も中国と同じ扱いになってしまいました。

アメリカは香港自治法を制定

2020年7月14日、香港の優遇措置が停止されると共に「香港自治法」が制定されました。これは2020年6月30日に制定された「香港国家安全法」を巡って制定されたものです。

関連記事

今回は2020年に施行された香港の国家安全法について解説します。  テレビやニュースなどでもこの国家安全法(国安法)についてよく取り上げられますが一体何が問題なのでしょうか。また、日本人への影響はあるのでしょうか。 詳しくみてみ[…]

「香港自治法」は香港の自治を侵害した中国当局の人間や金融機関に関して制裁を科せるようにしたものです。個人、あるいは団体のドル資産を凍結することができるので、中国が世界の基軸通貨であるドルの取引ができなくなる場合もあります。

また、香港の自治を侵害した中国当局の人間を制裁できるということは、当局の人間が利用した銀行を制裁対象にできるということです。当局の人間ですからもしそうなれば、ほとんどの中国の銀行が制裁対象になります。

そして、中国の銀行にはおよそ120兆円のドルが眠っていると言われているので、それが紙クズになります。だからこそ、デジタル人民元の制定など中国政府はドルを機軸とした世界経済から自国の人民元を中心とした金融を中心とする世界を作ろうと必死になっているのです。

まとめ

今回は香港の優遇措置の内容とアメリカと香港の関係についてご紹介しました。ドルを中心とした世界の恩恵を受けて香港は反映した面があり、その優遇措置をアメリカは止めたのです。

影響として香港だけでなく、中国の金融界や政府も揺るがす大事件へ発展しているのでした。

ぜひ、この記事を参考にしてニュースに関する知識を深めてみてください。

関連記事

今回は香港と中国の関係や違いについて分かりやすくご説明します。 日本から見れば、香港と中国は近い位置にありますが、なぜ大規模なデモなどが発生したのかというと、香港と中国の文化や習慣の違いや両者の関係性に答えがありました。 それで[…]

関連記事

今回は香港の民主化の女神と言われる周庭さんについて解説します。 メディアでも「可愛らしい」と取り上げられる彼女ですが、一体何者なのでしょうか。また、逮捕されたという情報がありますが、現在は何をしているのでしょうか。詳しく迫ってみましょ[…]

最新情報をチェックしよう!