経済特区とは、経済発展のために法的に特殊な位置づけにされている地域のことです。
中国はこの経済特区を中心として発展してきました。
この経済特区はどこにあって、具体的にはどのような効果があるのでしょうか。
そこで今回は中国の経済特区についてわかりやすくご紹介します。
中国の経済特区とは?
中国における経済特区とは、1979年に改革開放政策のひとつとして、主に外国資本や技術を集めるために法的に特殊な位置づけにされた地域のことです。
改革開放とは、中国に資本主義経済を導入して国を発展させようとした政策でこれが今日の中国の発展につながっています。
改革開放を行う以前は、毛沢東が主導する経済で、中国国内では社会主義に基づく経済政策が行われていました。たとえば、農業と工業を中心とした国造りを行う、大躍進政策が行われていましたが失敗に終わります。
さらに失敗を取り返すために文化大革命が起こり、中国経済はどん底にありました。これを立て直すために始まったのが改革開放です。
そして、経済特区を設置して、外国に頼りながら中国を発展させようとしました。
中国の経済特区の場所5つをわかりやすく説明
中国には以下の5つの経済特区が存在します。
- 深圳:しんせん(広東省)
- 珠海:しゅかい(広東省)
- 汕頭:すわとう(広東省)
- 厦門:あもい(福建省)
- 海南島:かいなんとう(海南省)
1979年に深圳、珠海、汕頭、厦門、1988年に海南島が経済特区に指定されました。
それぞれ順に地図付きでご紹介します。
深圳:しんせん(広東省)
深圳は香港に隣接する都市で、香港と地理が近いので多くの物や人が行き交う場所にあります。
珠海:しゅかい(広東省)
珠海はマカオに隣接する年です。マカオ資本で開発が行われてきた街で、経済特区に指定されてから急激に発展しました。
汕頭:すわとう(広東省)
汕頭は広東省の右端にある都市です。香港よりもさらに右です。
この地域は華僑と呼ばれる、海外に住んでいる中国人やその子孫を多く輩出してきました。中華圏では香港やマカオ、台湾に多く住み移り、他の国ではタイに多く住んでいます。
厦門:あもい(福建省)
厦門は福建省に位置します。地理的に台湾の真向かいにあり、台湾の離島である金門島とは目と鼻の先です。フェリーで30分ほどで着く距離にあります。
海南島:かいなんとう(海南省)
海南島はベトナムに近い位置にあり、「中国のハワイ」とも言われています。リゾート開発が進んでおり、ハワイと緯度が一緒で温暖な気候なのが特徴です。
経済特区と経済技術開発区の違いは
経済特区と経済技術開発特区のどちらも外資と技術の導入を目的としています。
経済技術開発特区は経済特区制定後の1984年に設置されました。
当時、経済特区は中国国内でも特別な存在で管理線で隔離された存在でしたが、経済技術開発特区は国内外に開放されているという特徴がありました。現在ではそこまでの区別はなくなっています。
1984年に経済技術開発特区に指定されたのは以下のような都市があります。
- 大連
- 秦皇島
- 天津
- 煙台
- 青島
- 連雲港
- 南通
- 上海
- 寧波
- 温州
- 福州
- 広州
- 湛江
- 北海
中国の経済特区の効果は?
中国の経済特区では、以下のようなことが行われました。
- 外国企業の輸出入関税免除
- 所得税の3年間据え置き
外国企業にとって魅力的だったので、多くの外国資本が流れ込んできました。
また、安い労働力や工場を建てる土地代が安いことが魅力的だったので、特に同じ中華圏の台湾資本や香港資本が流入するという効果がありました。
日系企業の中国進出の簡単な歴史
日系企業は改革開放を受けて1980年代半ばに中国進出しました。当時は繊維など軽工業分野がメインでした。その後、家電、特にテレビなどのメーカーが90年代に進出します。
また、当時は中国にて低コストで生産した製品を日本や欧米に輸出するというパターンが多かったです。
そして、その後は日本からの直接投資や自動車の大型投資を行うことになります。
中国の経済特区の覚え方
経済特区の頭文字を取ってみましょう。
- 厦門:あもい
- 汕頭:すわとう
- 深圳:しんせん
- 珠海:しゅかい
- 海南島:かいなんとう
この頭文字同士をつなげて、「明日はシチュー会(あすはしちゅーかい)」と覚えるのが定番です。
しかも、この順番だと北から南に並べた順番になっているので特に覚えやすいです。
まとめ
今回は中国の経済特区についてご紹介しました。
経済特区があったからこそ、ここまで発展できたのですね。外国の資本や技術が流れ込んできたのがポイントです。
ぜひ、この記事を参考にしてみてください。