習近平はどんな人?年収と資産や身長は?娘や国賓来日についても解説

習近平(英語と中国語:Xí Jìnpíng、シージンピン)は身長180cmの中国のリーダーです。

2013年から中国を統治しており、彼の考え方に世界が合わせて揺れ動いています。

今回はそんな習近平の経歴やなぜ国賓来日するのかなど、わかりやすく解説します。

習近平の読み方

習近平の日本語と英語の読み方は以下の通りです。

  • 日本語:しゅうきんぺい
  • 中国語読み:シージンピン(Xí Jìnpíng)
  • 英語読み:シージンピン(Xi Jingping)

習近平の年収

中国の新聞である「人民日報」によると、習近平の年収は13万6620元(約276万円)だと報道されています。

これはアメリカの大統領と比較するとかなり低い額面で、米国の貧困家庭の基準を下回っています。

そのため、この額面が正しいのか疑問に思う人もいます。

CNN.co.jp

中国の国営メディアは22日までに、同国の習近平(シーチンピン)国家主席の年収が60%増額され、約2万2000米ドル(約2…

習近平の資産

習近平の資産は明らかにされていません。

一方で中国共産党の内部では家族などの名義で海外に資産を持つことが普通となっています。大富豪の税金逃れを明らかにしたパナマ文書には、習近平に近い人物の名前もありました。

しかし、習近平政権では、党の幹部が海外に資産を持つことを禁止しており、国内外の批判をかき消しています。

習近平の家族

妻(夫人)

習近平は1979年から1982年まで柯玲玲(コー・リンリン)という2つ上の年上と結婚していました。柯玲玲の父は元イギリス大使であり、柯玲玲もイギリスで将来暮らしたいと思っていました。

しかしながら、習近平にはそういった考えはなく価値観や生活習慣が異なっていたので、離婚しました。

そして、彭麗媛(ポン・リーユアン)と1987年に結婚します。彭麗媛は元スター歌手で人民解放軍総政治部歌舞団団長を努めています。ちなみに、資生堂の化粧品が大好きであり中国人の爆買いにも影響を与えるファッションインフルエンサーでもあります。

習近平の娘は1992年生まれの習明沢(シー・ミンズー)です。杭州外国語学校卒業後、浙江大学外国語学院に入学して外国語の同時通訳を専攻します。そして、アメリカに行ってハーバード大学を卒業しました。

その後は、習近平の特別補佐官として秘書の仕事をしています。

ちなみに、事実上の国家機密のなっており、2021年には習明沢の顔写真をネットに公開した中国人が逮捕されています。習近平の娘ということで、安全の確保のため厳重に守られています。

習近平の任期はなぜ無制限なのか

習近平は任期制限がありません。つまり、死ぬまで国家主席でいるかもしれません。

  • 2035年までに経済規模を2倍にする目標のために開発独裁を行う狙い
  • 習近平が個人的に独裁的な権力を欲している
  • 習近平のポジションを狙う敵対勢力を封じ込めるため任期を撤廃した

国家主席という地位は、2期10年と中国の憲法で定められていましたが、2018年の全国人民代表大会で2期10年という制限を撤廃しました。もともと、毛沢東時代のような独裁で政治の混乱を避けるために2期10年という制限がありました。

しかしながら、今の中国には「安定し強力で一貫した指導体制」が必要だという理由で撤廃されました。2035年までに経済規模を2倍にする目標があって、そのために開発独裁を行う狙いです。

また、専門家の分析では、習近平が個人的に独裁的な権力を欲しているのと、習近平のポジションを狙う敵対勢力を封じ込めるため任期を撤廃したとも言われています。

習近平の経歴

実は苦労した青年期

習近平は1953年6月15日に中国の陝西省で生まれました。

習近平が13歳の頃、文化大革命が起こり、習近平の父親は拘束されています。

そして、習近平自身は強制的に田舎に送られる7年間の下放を経験して、田舎の洞窟で暮らして肉体労働をしていました。

1974年、習近平が21歳の頃、中国共産党に入党します。その一方で下放のため、きちんとした教育を受けていませんでしたが、推薦制度で名門大学である清華大学化学工程部に入学して有機合成化学を学びます。

そして、1998年に清華大学の人文社会科学院大学院課程で法学博士の学位を獲得します。学部は理系で大学院は文系で、広くて深い知識を持った人物なのが分かりますね。

着々と出世コースを歩む

習近平は2000年に福建省長となり、2002年に浙江省の党委書記になります。その後、2006年に汚職事件をきっかけに上海市の上海市党委書記に就任します。2007年には中央政治局常務委員に選ばれました。

それから2008年に胡錦濤政権下で国家副主席になり、4年後の2013年に最高指導者の地位を獲得するのでした。

習近平の台湾・香港政策

習近平の台湾政策

習近平政権が2013年に発足してから台湾併合の行動をエスカレートしています。

その背景には、自分の在任期間中に台湾を併合したという実績が欲しいという願望があるからです。毛沢東は建国、鄧小平は香港など実績を残して人民に崇拝されました。何も偉業を成し遂げなければ、党内政治や人民から反感を買って権力の座から落とされます。

そのため、台湾を併合しようと動くのでした。

最初は、中国と台湾の両方の発展が双方に利益をもたらすと、平和的な統一を掲げていましたが、上手くいかなくなり武力による統一に舵を切ろうとしています。

習近平と香港の統治を強めた理由

習近平は香港のデモが他の地域に飛び火することを恐れて香港統治を強化したと言われています。

香港では国家安全法が2020年6月30日に成立しました。これによって、中国に批判的な行動や言論活動を行えば、逮捕される可能性が出てきました。香港は自由と民主主義、言論の自由が確保されていた場所だったので、大きな変化だったのです。

そして、なぜ、習近平が香港統治を強めたのかというと、実は習近平の父親が香港の司法制度を承諾した過去があるため習近平はその負の遺産を取り除こうとしている見方もありますが、中国の他の独立問題に飛び火しないためという見方が一般的です。

中国はウイグル、チベット、台湾問題を抱えています。もし機運があれば、独立運動を起こすかもしれません。香港と影響されないために強硬な策に出ました。

また、中国国内でコロナ対応など習近平に対する批判が相次いでいるため、その目をそらすために香港統治を強めました。

習近平と他の国家主席などとの関係

習近平、江沢民、胡錦濤の権力争い

2013年に習近平が政権の座についた際、中国には2つの大きな政治勢力がありました。

  • 江沢民グループ:上海閥、鉄道省など経済利権があり、国営企業の資金で影響力がある
  • 胡錦濤グループ:中国共産主義青年団が前身でエリート軍団、政府組織の国務院が権力基盤

習近平は江沢民派と一定の距離を保ち、胡錦濤派とは対立関係にありました。また、江沢民の後押しで習近平はトップに上り詰めます。

そのため、江沢民グループに忖度した政権運営が行われる見通しでしたが、実際は胡錦濤グループの李克強と組んで鉄道省の解体をして江沢民グループを弱体化させます。

一方で李克強など胡錦濤グループは経済政策を主に担当しており、中国経済が減少したことを狙い目に習近平は彼らに責任を押し付けて影響力を取り除きました。

今後もこの三つ巴の勢力がどうなるのか中国のニュースを読み解く上で大事になります。

習近平から見た毛沢東

習近平は毛沢東に対して複雑な感情を抱いています。

毛沢東の文化大革命によって、父親は投獄されて自身は下放されてかなりの苦労を負っています。

その一方で、習近平政権では積極的に毛沢東思想を取り入れています。たとえば、「個人の利益よりも、公の利益を優先すること」を大切にしており、改革開放以降の中国の経済格差や貧困を是正する政策を施行しています。

また、毛沢東は外国のやり方を盲目的に真似る手法を批判しています。これを習近平は現代に置き換えて中国の外国への依存度を減らして中国地震の技術や産業を育てることに力を入れています。

習近平と李克強首相

習近平が国家主席を務める一方で、李克強が首相を務めています。主に首相は内政を安定させて国家主席を支えるという右腕役でもあり、ナンバーツーのポジションです。

そのため、習近平と李克強がツートップで存在感を放っています。

しかし、新型コロナウイルスで習近平政権ではゼロコロナ政策を貫き経済的なダメージを負った上に、経済を統制するやり方に批判が出ています。そのため、李克強が習近平よりも存在感を党内で強めているとも言われています。

習近平はなぜ国賓来日を狙うのか

習近平は日本に国賓来日をして、日本の天皇と面会することを望んでいます。中国側だけではなく、日本にもメリットがあるので国賓来日の話が浮上しました。

具体的には、日中両国には以下の思惑があります。

  • 中国:国際社会への復帰が狙い
  • 日本:経済的な恩恵を受けたい狙い

中国は国際社会に見放されつつある

中国は、ウイグル、香港、台湾問題などで国際社会から非難を浴びており、人権問題を突きつけられ、経済制裁を受けたりQUAD(クアッド)などの軍事的な包囲網で囲まれたりしています。

つまり、世界各国は中国と距離を置き始めており、中国にとって厳しい時代になっています。

日本へ来日することが復帰のカギ

日本は隣国で、世界3位の経済大国で国際社会でもある程度の存在感があります。また、アメリカやヨーロッパなどの大国よりも同じアジアにある日本の方が価値観が似通っています。

そのため、日本をまず切り崩して日中関係を良好にすることによって、日本と欧米の分断を招くかもしくは、日本の対中スタンスに欧米諸国が合わせることを狙っています。日本は中国にとって都合のよい存在なのですね。

日本にとってのメリット

日本は中国からの経済的恩恵を受けようと思っています。日中の経済は強く連携しており、中国でビジネスを行うことによって利益を上げている日系企業も多くいます。つまり、日中関係がよいと、日系企業のビジネスも上手く行くのです。

過去にも同じことがあった

国賓来日が日中の思惑に一致するのは今回が初めてではなく、1989年の天安門事件の時にも同じ状況でした。

天安門事件で中国の人権が問題になって、欧米各国が制裁を加えました。しかし、日本は他の国よりいち早く経済制裁をストップさせて中国ビジネスに着手し、日中の経済は発展するのでした。

そして、1992年には天皇皇后陛下が訪中しており、これがきっかけで中国の国際社会での地位が復活することになったのです。

果たして、同じようなシナリオになるのかどうか日本で注目が集まっています。

習近平と安倍晋三

習近平政権と安倍晋三政権時代の日中関係は非常に良好でした。

習近平は2013年に最高権力者の地位に就き、日本では同じ年に安倍晋三内閣が発足しました。時系列が似通っています。また、安倍晋三は保守系の政治家であり、中国へ厳しい態度を取る傾向にありました。

たとえば、2013年に安倍内閣が発足して1年後に、靖国神社を参拝して「侵略の歴史を反省する」ように反発します。

しかしながら、それでも安倍晋三政権下において、日中関係はとても良好でした。その理由を解説します。

  1. 安倍政権発足以前、日中関係が冷え切っていた
  2. 日本側から中国に歩み寄った

①安倍政権発足以前、日中関係が冷え切っていた

安倍政権が発足する以前、日中関係は冷え切っていました。2010年に尖閣諸島沖で中国漁船と海上保安庁の巡視船が衝突して、漁船の船長らが逮捕されます。その結果、中国はレアアースなどの対日輸出を強化しました。

また、2012年に当時の野田政権は尖閣諸島を国有化します。中国の主権を侵害して、国民感情を傷つけたということで、中国側は大激怒して中国全土で反日デモが起こりました。国交正常化以来、最悪だとも言われたほどです。

つまり、最初から日中関係が冷え切った状態だったので、改善する伸び代が大きかったのです。

②日本側から中国に歩み寄った

安倍晋三は2014年の施政表明演説で日中関係改善を目標にします。そして、今まで硬直していたトップ同士の交流を促し、当時の高村正彦自民党副総裁、福田康夫元首相といった人物が訪中します。

そして、ようやく2014年にア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にて日中首脳会談が実現します。その後、日中は競争するのではなく、強調をすることを呼びかけてさらなる日中関係の改善へ向かいました。

③米中関係が悪化したこと

トランプ大統領が2016年に誕生して、2018年ごろから米中の貿易戦争が激化して、さらに政治の分野でも、ペンス演説など中国に対する非難が続出して米中関係が悪化します。

中国側としては、アメリカに近い関係にある日本を中国側に取り込んで味方を増やしておき、米中関係が悪化しても日本との交流という代わりの選択肢を持ち、米中関係のクッションのような役割を日本に期待していたのです。

習近平とプーチン

習近平とプーチンの関係は極めて良好です。

歴史的に中国とロシア(ソ連)は歩み寄ったこともありましたが、国境で紛争をするなど決していつも仲がいいわけではありませんでした。

しかし、習近平とプーチンの間柄は良好です。現に習近平がトップに就任して最初の外遊先がロシアで、その後5年間で20回以上も会談をしています。

そして、ゼロコロナを貫いてどの外国のトップとも習近平が対面で会談しない中、北京オリンピック開幕にプーチンは呼ばれて中露会談も行われました。

両者の信頼は厚いと言ってもいいでしょう。

まとめ

今回は中国のトップである習近平についてご紹介しました。

習近平は苦労人でありながら、毛沢東思想を大切にしながら国家を統治しています。

これが分かればさらに中国が見えてきますね。ぜひ、参考にしてみてください。

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