今回は台湾のお金について解説します。
同じ中国語圏でも国によって通貨が異なるので、混乱するかもしれません。そこで今回は台湾のお金に焦点を当てて、お札の単位や種類について解説します。
台湾の通貨
台湾では、「元(げん)」が使われています。ここでいう元は中国の元(人民元)とは異なり、台湾ではNTD(ニュー台湾ドル)とも言われています。また、現地では塊(クァイ)という言い方もします。
2019年現在では、1元およそ3.6円です。為替は変動するので、一概には言えませんが、およそ3.5円ほどを行き来しています。
台湾の通貨
台湾には、これらのお金があります。
硬貨 | お札 |
50元 | (2000元) |
(20元) | 1000元 |
10元 | 500元 |
5元 | (200元) |
1元 | 100元 |
5角 |
お札は100元(日本円でおよそ350円)から2000元(日本円でおよそ7000円)まであります。治安が悪い国ほど、高いお札は犯罪防止のために刷れないことになっていますが、台湾はそこそこ高額な紙幣も取り扱っています。
ただし、あまり2000元札を使うことは少なく、1000元札がATMなどから出てきます。200元も同じように使いません。
一方で、硬貨は6種類ほどあって、10元、20元、50元は日本の100円玉より少し大きいくらいです。ちなみに、2000元や200元札同様、20元もあまり流通していません。
台湾の通貨に描かれた人物は誰?
通貨の人物はほとんど、蒋介石と孫文です。これは第二次世界大戦後、台湾を統治し始めた蒋介石と、中華民国を建国した孫文の偉業を表しています。
それでは紙幣と通貨ごとに詳しく見てみましょう。
紙幣は誰?
金額 | 大きさ | 表面 | 裏面 |
---|---|---|---|
2000元(紫) | 165 × 70 mm | 台湾初の科学実験衛星FORMOSAT-1 | タイワンマス と南湖大山 |
1000元(青) | 160 × 70 mm | こどもが地球儀を見ている姿 | ミカドキジ と玉山 |
500元(茶) | 155 × 70 mm | 何王小学校の野球チーム | タイワンシカと大霸尖(ダバジャン)山 |
200元(緑) | 150 × 70 mm | 蒋介石 | 中華民国総統府 |
100元(赤) | 145 × 70 mm | 孫文 | 中山楼 |
2000元
2000元は大きさ165×70mmで、台湾初の科学実験衛星FORMOSAT-1が描かれています。2002年から使用開始されて、近代台湾の技術力が分かるデザインになっています。裏面はタイワンマスという魚と南湖大山(ナンフダイザン)という山です。
1000元
1000元は大きさ160×70mmで、こどもが地球儀を見ている姿が描かれていて、初等教育をイメージしたものです。また、裏面はミカドキジと玉山です。玉山は富士山より高い、台湾で一番高い山なので1000元が事実上一番高いお札として扱われているのが納得できますね。
500元
500元は大きさ155×70mmで、世界で活躍した何王小学校の野球チームたちがデザインされています。裏面はタイワンシカと大霸尖(ダバジャン)山が書かれていて、動物と自然のワンセットになっています。
200元
200元は大きさ150×70mmで、蒋介石が椅子に座っている姿が書かれています。また、裏面は中華民国総統府で、とてもオーソドックスなデザインです。この紙幣を間近で見る機会があれば幸運です。
100元
100元の大きさは145×70mmで、孫文が表面に印刷されています。台湾の社会では100元札を使うことが多く、これが無いと生活が成り立ちません。また、裏面は中山楼(ちゅうざんろう)という、孫文の生誕100周年を記念して作られた多目的ホールが書かれています。
硬貨は誰?
金額 | 直径 | 重さ | 主な成分 | デザイン |
---|---|---|---|---|
50元 | 28 mm | 10 g | 92%が銅 | 孫文 |
20元 | 26.85 mm | 8.5 g | 92%が銅 | モーナ・ルダオ |
10元 | 26 mm | 7.5 g | 75%が銅 | 孫文と蒋介石 |
5元 | 22 mm | 4.4 g | 75%が銅 | 蒋介石 |
1元 | 20 mm | 3.8 g | 92%が銅 | 蒋介石 |
5角 | 18 mm | 3 g | 97%が銅 | 梅の花 |
50元
50元は直径が28mm、重さ10gで92%が銅でできています。日本の硬貨とは違って、人物(孫文)が描かれています。
20元
20元は直径26.85mm、重さ8.5gで92%が銅です。現在ではあまり使われません。霧社(むしゃ)事件という日本統治時代に日本と戦ったときのリーダー、モーナ・ルダオが印刷されています。
10元
10元は直径26mm、重さ7.5gで75%が白銅です。孫文と蒋介石の肖像画が書かれています。10元は台湾社会でよく使う硬貨なので、多くの人が目にします。
5元
5元は直径22mm、重さ4.4gで75%が白銅です。蒋介石の肖像画が書かれています。5元も10元と同様に台湾社会でよく使う硬貨です。
1元
1元は直径20mm、重さ3.8gで92%が銅です。日本の10円玉にそっくりなルックスです。蒋介石の肖像が描かれています。
5角
5角(かく)は直径18mm、重さ3gで97%が銅です。梅の花が書かれています。あまり角を使うことはありませんが、2角で1元と同じ価値です。
まとめ
今回は台湾のお金についてご説明しました。
台湾は元が使われていて、肖像画や動物、自然のデザインが施されているのがポイントです。
ぜひ、この記事を参考にしてみてください。