台湾経済をわかりやすく解説!成長理由や半導体産業を説明

今回は台湾の経済についてご紹介します。

台湾経済の歴史から台湾経済の現状、問題点まで分かりやすく解説します。

台湾経済の基本情報

日本より豊か!?

台湾は資本主義経済で、2019年には世界21位の6,050億米ドルという名目GDPの値を公表しています。IMFの発表にると、一人当たりの名目GDPは5万2,304米ドルとなっており、日本は4万4,430米ドルなので、日本よりも生活水準が高く、失業率は3.73%です。

ちなみに国土の面積36000平方キロメートルと、九州より少し小さいですが、人口は九州の倍の2,360万人(2020年2月)ほどが住んでいます。

また、通貨は新台湾ドル(1NTD=3.74円、2021年2月調べ)を使います。また、主要貿易国は輸出と輸入ともに中国であり、同じく電子電気機械を輸出と輸入で取り扱っています。

韓国と比べると?

韓国のGDPはおよそ160兆円で台湾はおよそ60兆円です。この背景には、台湾は半導体メーカーが経済を引っ張る一方で、韓国は自動車や家電などさまざまな分野で経済を引っ張っているという事実があります。

また、一人当たりのGDPは台湾はおよそ250万円なのに対して、韓国は310万円ほどです。

台湾経済の強み

台湾の主要産業は、電子・電気、化学品、鉄鋼金属、機械といった製造業です。2000年と2018年を比較してみると、全体的にはサービス業が66%から62%に減少した一方で、工業は32%から36%に増加しています。サービス業は卸・小売業、不動産業、金融・保険業が主力です。

一方で製造業の中では電子・電気分野で世界的にも高い存在感を誇っています。他社のブランド製品を製造するOEMの形態をとることが基本です。たとえば、Apple製品を作っている台積電(TSMC)や 鴻海(Foxconn)がいます。

特に電子部品を作るときに必須な半導体という部品がありますが、この半導体を作るメーカーの世界トップは台積電(TSMC)で、技術大国なのです。

貿易について

2018年のみずほのデータを使って解説します。

輸入

基本的に台湾は輸入してきたものを手を加えて輸出する、輸入加工産業が多いです。そのため、輸入の4割ほどが機械・電気機器が占めていて、石油化学産業が発達しているため、鉱物も2割ほど輸入しています。

そして輸入の2割は中国、 もう2割が日本、1割がアメリカという輸入国が占めています。

輸出

輸出は、機械電気機器分野の製品が多く5割を占めていて、特に半導体をメインにしています。それから卑金属やプラスチック、化学品の素材をそれぞれ1割ほど輸出しています。

また、輸出は3割が中国、1割が香港、1割がアメリカという構成になっています。

台湾経済史

先史時代は農耕などを行っていました。そして17世紀から オランダやスペインの支配を受けます。 当時は砂糖や鹿の肉や皮を輸出していました。そして、欧米諸国が出て行くと漢人の王朝ができ、農業を中心とした経済活動を行います。

そして、日本統治の間も農業を中心として台湾の発展が始まります。インフラの整備を整え、主要な農作物である米や砂糖を生産して発展します。 その後1936年に日中戦争が起こったのがきっかけで、台湾は工業化します。

日本が敗戦したあと、台湾は不安定になり経済危機になっていました。 最初は農業国として再建を目指していましたが、アメリカなどの協力もあり工業化に成功します。 特にプラスチックなどを作って急速に経済成長しました。

 

その後、 1970年代には石油化学工業の基礎を築いて、アジアの四小龍と言われるほど経済成長が持続します。

それから1980年代に、な機械や電子産業に主軸を置くことにした結果、今日のような半導体や電子部品など世界トップクラスの技術を持った企業が生まれて、台湾経済は豊かになるのでした。

そして、2016年からデジタル経済やモノのインターネットなど先端技術の支援や投資を行い、今後の成長戦略を描いています。

日本との経済関係

日本と台湾の間には、国交はありませんが日台間の経済交流は盛んです。台湾の輸入相手国第2位、輸出相手国第4位に日本はランクインしています。

また、2017年には1,179社の日系企業が台湾にあり、在台邦人も21,054人います。中国には約12万人、韓国には4万人ほどいるのでそれにはおよびませんが、かなり企業と人同士の交流は盛んだと言えます。

台湾経済の現状と動向

台湾経済の成長率は?

台湾経済の成長率はおよそ3%前後を推移しています。2017年が3.3%、2018年が2.8%、2019年が2.7%と少し下向きになっていて、市民の間では不満が高まっていました。今後のGDPがどうなるのか注目です。

観光業界に動き

2020年に発生した新型コロナウイルスの影響で、台湾では観光革命が起こったと言われています。もちろん国外にはいけないので、台湾の離島が注目されました。 地元の名産品を楽しみながら、ラグジュアリーなひとときが過ごせると人気です。

また、宿泊施設にも大きな動きがあります。コロナからの景気対策として台湾の大手ホテルはグループ内の社員に対してホテルで使用できる3万5000円相当のクーポン券を配りました。

また、日本の三井不動産が2020年1月2三井ガーデンホテルをオープンさせました。 そして、他の台湾のホテルの中には、コロナ後の生き残りをかけてホテルから美術館などの芸術スペースに転換をするなど、ユニークな戦略をとったものもあります。

課題や問題は何?

台湾経済の最重要な問題は、 中国依存です。台湾と中国は政治的な関係がよくありません。もし何かあれば、中国から経済的な制裁を受けることもあります。一時期輸出の4割を中国に依存していましたが、蔡英文政権下で3割まで減らしました。

そのため、 アメリカや日本 との貿易を活発化させて、製品の生産拠点もベトナムやタイといった東南アジア諸国に移す戦略が求められます。

まとめ

今回は台湾経済についてご紹介しました。

台湾の経済はハイテク分野で回っています。また一人当たりの GDP は日本より高いのです。

ぜひこの記事を参考にして台湾経済への理解を深めてみてください。

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