今回は台湾の文化についてご紹介します。
日本と近い台湾ですが、食文化や風習は異なるところが多くてびっくりするものです。
今回はその台湾文化について、衣食住を中心に有名なものから台湾の有名大学や有名な建物までご紹介します。
台湾の衣食住の特徴は!?
トラディショナルな服装はほぼゼロ
台湾のモダンファッション
現代の台湾人がよく着ているファッションは以下のような特徴があります。
- 派手なカラー
- 露出が多い
- 動きやすさ重視
派手なカラーなのは中華系の名残だと感じられます。日本人があまり着ないような赤色などを好んでいます。また、露出が多いのは暑いからです。台湾は1年を通して日本より気温が高いので、男女共に露出が多めです。
そして、ファッションアイテムの動きやすさも重視されます。バイクに乗る文化もあって女性は動きやすいショートパンツをよく履いています。また、スニーカーも同じように好まれます。
伝統的なチャイナドレスは?
台湾では現在チャイナドレスは一般で着られていません。また、台湾ではチャイナドレスのことを旗袍(チーパオ)と言います。
このチャイナドレスは1910年代の中国で登場したあと、日本統治下の台湾にも1930年代に広まりました。ちなみにこの頃は西洋化の影響も受けており、西洋、日本、中国のファッション文化が入り乱れていました。
そして、日本が敗戦した後は中国国民党を中心とした役人夫人が中心で着るようになります。その後は中華航空(チャイナエアライン)の制服に取り入れられるなどの動きがありありましたが、1980年以降は衰退します。
チャイナドレスは現在では普段着ではなく、結婚記念に花嫁が着て写真を撮ったり、インスタ映えのファッションとしてチャイナドレスを着て写真を撮って楽しむ若者が増えています。
ちなみに、台湾には先住民もいるので、そちらも同じような伝統的な衣装があります。
食文化に迫る
特徴と歴史
台湾料理の特徴は、激辛ではなく、淡白な味付けを基本として塩分も控えめなことです。また、海産物を豪快に使い動物の血液を使った料理も特徴的で日本人からするとびっくりするでしょう。
また、豚肉をよく使いますが、中華料理らしくフカヒレやツバメの巣も食材として使われています。
一方で、菜食主義者向けの「素食」と言われる食文化も発展しています。
台湾の料理のルーツは中国の福建料理にあります。これは多くの台湾人のルーツが閩南語を話す福建省の出身だったからです。そして、そこに日本料理や客家料理の影響を受けながら独自に発展してきました。
知ってびっくり!日本との違い
日本では定食屋に入ったときに冷たいお冷やが出てきますが、台湾では常温です。一説によると、東洋医学では冷たいと体によくないと言われているからです。
そのため、日本に旅行に来た台湾人がお冷やを嫌がって、氷のない常温の水を飲みたがることもよくあります。また、同じような理由で日本の冷やご飯というのが理解できないのです。
台湾に旅行に行った日本人が驚くのが、八角(はっかく)と臭豆腐(ちょうどうふ)です。八角とは、独特な甘みと苦味が入り込んだスパイスのことで、日本人にとって馴染みのない味です。また、薬のような香りがします。
一方の臭豆腐は、台湾の納豆とも言われており、ゴミやドブのような香りがします。香りがキツいため、そのまま食べるのも厳しいですが、辛口の鍋料理の中に臭豆腐を入れると臭みと味が変わってくるので、そのまま食べるのがキツい人でもおすすめです。
ちなみに、台湾に旅行に行ったことがある人に「台湾はどんな香り?」と聞くと、インパクトが強いこれらの食べ物の香りを答える人もたくさんいます。
代表的な台湾料理
代表的な台湾料理をみっつご紹介します。
- 小籠包(しょうろんぽう)
- 魯肉飯(ルーローファン)
- 豆花(ドウファー)
まず、小籠包です。(10個で100NTDから200NTD)豚肉を薄い小麦粉の皮で包んで蒸したものです。一口食べると、肉の食感とともに肉汁が広がります。
小籠包の発祥は中国の上海にあると言われていますが、1958年に台北で創業した鼎泰豊(ディンタイフォン)が世界的に有名になり、台湾の代表的な料理として取り上げられるようになりました。
台北で有名な小籠包のお店といえば、ここなので絶対に行くべきです。
もちろん、日本に店舗もありますよ。
続いて魯肉飯(ルーローファン)です。(35NTDくらい)台湾の混ぜご飯とも言われ、豚肉を台湾醤油や砂糖、八角などと一緒に煮込んで、そのまま白ごはんにかけた料理です。
まったく派手な見た目ではありませんが、値段の安さとクセになる味から虜になる人も多くいます。夜市でも有名なメニューなので、夜市に訪れたときは食べてみてください。
そして、豆花(ドウファー)です。(80NTDくらい)台湾の代表的なスイーツであり、豆乳ゼリーのようにフワフワした食感が特徴です。具体的には豆腐を固める時に使う、にがりに近い硫酸カルシウムを使って豆乳を固めたものです。
味は甘いのですが、しつこくなくさっぱりとした甘さなのでとても食べやすいです。
台湾では砂糖などお茶をアレンジして飲む文化がありました。温かいお茶をアレンジしていましたが、気候の問題で若者を中心に冷たいお茶が好まれるようになります。
その冷たいお茶をアレンジする中でタピオカを入れてできあがり、若者に人気になったのが「タピオカミルクティー」でした。それがSNSで日本に流入して日本国内でも人気になったのです。
また、台湾では日本のブラックサンダー、中国語名は黒雷神(ヘイレイシェン)が人気です。
これは台湾のインフルエンサーがブログで紹介され、それがSNSで拡散されて人気になりました。
また、2014年に台湾でデモが起こったときに、デモ隊のシンボルカラーである黒に合わせて、ブラックサンダーが送られてさらに知名度を獲得したと言われています。
住まいの特徴
日本でもそうですが、台湾の住まいは都心部と山間部では全く様子が異なります。ここでは、日本人が見かけることが多そうな比較的都会の住まいについて話します。
台湾の住まいには以下のみっつの特徴があります。
- セキュリティが頑丈
- キッチンが少ない
- バストイレが一緒
セキュリティが頑丈
日本の住宅に比べてセキュリティが頑丈です。ここで言うセキュリティが頑丈と言うのは、どこにでも警備員がいて守ってくれているというわけではなく、マンションの扉で鍵を1回開けて家に入る時にまた鍵を開ける二重ロックが普及しています。
ちなみに、扉の鍵の穴自体が2つあることもあって、変な人が入ってこないようにセキュリティは工夫されています。
キッチンが少ない
台湾にキッチンは基本的にありません。なぜなら、外食が日本以上に発展しているからです。特に台湾には夜市があるので、仕事帰りに夜市に行ってご飯を買って帰る、もしくはそこで食べて帰るというのが定着しています。
バストイレが一緒
台湾はバスとトイレが一緒なのが一般的です。ちなみに浴槽はなくて、シャワーとトイレが一緒の空間にあります。また、来客用にトイレがありその中にもシャワースペースが併設されています。
ちなみにマンションの場合はトイレットペーパーが流せますが、街中のお店ではいまだに流せないこともあります。
台湾の交通文化
台湾の交通文化は日本と違います。
安全に対する基準が違う
具体的には、車が右側車線を走り、基本的に歩行者ではなく車優先です。また、運転も荒いので交通事故には本当に気をつけなければなりません。たとえば、日本で安全なバスも、台湾では乗る意思を見せないと止まってくれませんし、速度もかなり飛ばします。
また、タクシーは5人乗りですが、実際に台湾を観光した人の中には7人くらい詰め込まれたという話もあるくらいです。
バイク文化
台湾人はよくスクーターのバイクに乗って移動します。そのため、街のいたる所にスクーターが停められています。
また、日本ではスクーターは2人乗りができませんが、台湾では2人乗りは問題ありません。さらに中には3、4人乗りで運転するといった人もいます。
台湾伝統的な文化
台湾は漢民族が大半ですが、少数民族もいるのでそれぞれに文化があります。少数民族は台湾の東側に住んでいるため、今でも台湾東部に行けば少数民族の文化を見ることができます。
しかし、漢民族が大多数なので中国大陸と似た伝統行事が多いです。中でも以下のみっつは伝統的な日付です。
- 春節
- 端午節
- 中秋節
春節、端午節、中秋節は台湾の三大節慶になっています。
春節
春節とは旧正月のことで、1月1日ではありません。大体、1月の終わりから2月の中旬くらいに旧正月を迎えて、この期間は実家に帰省して家族団欒を楽しみます。また、この期間は休みになるので旅行に出かける人もたくさんです。
端午節
端午節は、日本で言う子どもの日にあたります。起源は中国の楚の時代です。楚には屈原(くつげん)という人物がいて、5月5日に川に身を投げました。それから国民が悲しみ、魚が屈原の身体を食べないようにちまきを国民たちは川に投げ入れました。
それがきっかけで、この日はちまきを食べるのが定番です。また、ドラゴンボートというボートレースが行われる日でもあります。
中秋節
中秋節は中秋の名月を祝う日で、旧暦の8月15日にあたります。満月を見ながら家族と過ごすのが一般的です。また、月餅というお菓子を食べたり、焼肉をして過ごすというのが台湾の中秋節の風景です。
台湾の有名な文化遺産は?
台湾にはこれらの有名な文化遺産があります。
名前 | 説明 |
---|---|
臺鐵舊山線勝興駅 | 釘を1本も使わずに建てられた駅 |
阿里山森林鐵路 | 高低差の激しい山岳鉄道 |
烏山頭水庫及嘉南大圳 | 日本人の八田與一が手掛けたダム |
澎湖石滬群 | 新石器時代の漁撈設備 |
馬祖戰地文化 | 離島にある軍事施設 |
金門戰地文化 | 金門島の戦争遺跡 |
樂生療養院 | 1930年建設のハンセン病の療養所 |
水金九礦業遺址 | 鉱山遺跡と鉱山町 |
排灣族及魯凱族石板屋聚落 | 先住民の集落 |
淡水紅毛城及其週遭歷史建築群 | オランダ人が建設した要塞 |
卑南遺址與都蘭山 | 先史時代の遺跡 |
桃園臺地陂塘 | 日本人の八田與一が手掛けたため池 |
烏山頭水庫及嘉南大圳(烏山頭ダム)
特に日本人として知っておきたいのは、八田與一が手がけた烏山頭水庫及嘉南大圳(烏山頭ダム)です。台湾の南部は干ばつすることもあって、台湾で農業を行う上で深刻な問題を抱えていました。八田與一はこの地に当時最大のダムを建設して、台湾のインフラ整備に貢献しました。
淡水紅毛城及其週遭歷史建築群
淡水紅毛城及其週遭歷史建築群は淡水にあるので、台北からメトロに乗って観光に行けます。日本でも台湾でもなく、オランダ人が建設した建物ということで西欧の雰囲気があります。台湾なのに西欧というギャップを感じるために訪れるのもおすすめです。
水金九礦業遺址
水金九礦業遺址は鉱山遺跡と鉱山町のことですが、その一部に有名な九份があります。ノスタルジックな雰囲気でガイドブックにもよく載っていますが、実は昔は金が採れて発展した町だったのです。
台湾には文化大革命の影響はあるの?
台湾は文化大革命の影響を受けていません。
中国大陸では、1966年から1976年まで文化大革命が発生しました。文化大革命とは、毛沢東の奪権運動で、それに煽られた学生たちが中国の文化財などを壊してまわりました。そのため、中国では文化財などが破壊されてしまいました。
その一方で、海を隔てた台湾では文化大革命の影響はなく、むしろ指導者の蒋介石(しょうかいせき)は、中国の文化や教育を推し進めたと言われています。
また、台湾には故宮博物館という、宋、元、明、清の歴代宮廷コレクション、古代中国から清までの歴史的な文物約70万点を所蔵する博物館があります。これらは中国国民党が台湾に逃げ込むときに、北京の故宮博物館から持ち出したものです。
そのため、文化大革命の被害を受けていない中国の歴史的なコレクションが台湾に保管されているため、中国の博物館に行くよりも台湾の故宮博物院の方が充実しているとも言われています。
台湾の有名な建物
知っておきたい台湾の有名な建物は以下の通りです。
- 台北101
- 龍山寺
- 高雄85
台北101
台北101は台湾のシンボルとも言える観光スポットです。2004年のオープン時には、世界一高いビルの記録を誇っていました。地下5階から地上101階まである高層ビルで、高さは509.2mです。
ビルの中にはファッションブランドの店舗やフードコートも入っているので、観光客に限らず地元の人で賑わっています。
龍山寺
龍山寺は1738年、清の時代に建てられた伝統的なお寺です。中国大陸からの移民が移住してきたとき疫病が蔓延していたので、平安を祈るために建てられたのでした。パワースポットしても知られており、実際に中に入ってみるととても不思議な感じになります。
ちなみに、龍山寺の周りは昔、繁華街でした。現在ではちょっと怪しげなお店や人々が立ち並んでいます。
高雄85
高雄85ビルは、高雄市にあるランドマークタワーです。1997年に開業した、地下5階、地上85階建てのビルです。台北101ができるまで台湾で一番高い建物でした。
台北の101も有名ですが、台湾の南にある高雄では、この高雄85が街のシンボルとして扱われています。
台湾の有名大学
知っておきたい台湾の有名な大学は以下の通りです。
- 台湾大学
- 成功大学
- 逢甲大學
ちなみに台湾の大学は日本と同じ4年制で、医学部は学科によって異なり、5年から7年です。また、大学院(修士)は最低2年で論文が書けなければ伸びるというようになっています。
台湾大学
台湾大学は1928年に設置された大学で、当時は日本統治下の台北帝国大学という名前でした。台湾ナンバーワンの学校で、学生数は3万人を超える学校です。台湾の総統の多くもこの大学を卒業していて、世界各国の政・財・官・学の各界に人材を輩出しています。
成功大学
成功大学は台湾の台南にある国立大学で、台湾のナンバー2学校です。台湾の京都大学とも言われています。成功大学は1931年に工業専門学校として開校して、特に理工系が強いです。
また、学校の周りには学生街ができており、安い飲食店が連なっています。
逢甲大学
台湾は台湾大学や成功大学の他に、清華大学や交通大学といった国立大学が有名ですが、私立の中で有名なのは台中にある逢甲大学(ほうこうだいがく)です。台中の大きな夜市のそばにあり、みんな豊かな学生生活を送っています。
日本の国公立大学と同じくらいに匹敵するレベルだとも言われています。
まとめ
今回は台湾の文化についてご紹介しました。中華系の文化と日本の文化を受けながら独特の文化を今でも保っているのが特徴ですね。
ぜひ、この記事を参考にしてみてください。