中国は国内で戦争を起こしてきた歴史がありますが、現在では対外に向けて軍拡を進めています。
中国の軍事状況はどうなっているのでしょうか。また、なぜそこまで軍事力を強化させているのでしょうか。
簡単にわかりやすく解説します。
中国は戦争の準備を本格化させている?
中国は軍拡を進めています。
2021年時点で中国の軍事費は1兆3553億人民元(日本円でおよそ22兆円)であり、2020年に比べて軍事費は、873億人民元(日本円でおよそ1兆4500億円)6.8%ほど増加しています。
この背景には、中国は「今世紀半ばまでに世界一流の軍隊を築く」という目標を掲げているため、この目標に向かって着実と駒を進めているのです。
また、2020年10月に中国共産党は、「戦争に備えた訓練の全面的強化」を掲げ、中国軍が積極的に戦争に関与するという方向性を示しました。
中国の空母
中国の空母のルーツは1980年代の鄧小平時代まで遡ります。それから以下のような空母が建造されてきました。
- 遼寧(りょうねい):2012年就役
- 山東(さんとう):2019年就役
- 名前不明:2021年就役予定
特に3隻目となる空母には、電磁式カタパルトが搭載されるので重装備の戦闘機を速い速度で射出可能です。
この技術があれば、戦闘力が格段に向上しますが、2021年時点ではアメリカの最新空母「ジェラルド・フォード」しか搭載されていない最高峰の技術です。
中国、アメリカ、日本の軍事力を比較
アメリカ | 中国 | 日本 | |
---|---|---|---|
軍事力指数 | 0.0718(世界1位) | 0.0854(世界3位) | 0.1599(世界5位) |
人口 | 3億3263万9102 | 13億9401万5977 | 1億2550万7472 |
兵員(推定) | 224万5500 | 335万5000 | 31万9000 |
航空戦力 | 1万3233 | 3260(3位) | 1,480(6位) |
戦闘機 | 1,956(1位) | 1200(2位) | 256(11位) |
戦車 | 6,100(3位) | 3,205(8位) | 1,004(23位) |
主要艦艇 | 490(空母数11) | 777(空母数2) | 155(空母数0) |
軍事予算 | 7,405億ドル(1位) | 1,782億ドル(2位) | 517億ドル(6位) |
軍事分析会社グローバル・ ファイヤーパワーの2021年の分析によると、世界1位の軍事力はアメリカです。軍事予算は7405億ドルで、世界最多の戦闘機数を誇っています。そして、中国は世界3位の軍事力で軍事予算は1782億ドルです。
アメリカと中国の間に軍事力第2位のロシアがいますが、それに追いつくほどのハイスペースで中国は軍事化を進めています。
また、日本は世界5位の軍事力で、その上にはアメリカ、ロシア、中国、インドしかいません。
中国はどことの戦争の準備をしているの?
中国がどことの戦争準備をしているのかというと、答えはアメリカです。いわゆる米中戦争が発生する可能性が非常に高いです。
なぜ、アメリカとの戦争を準備するのかという答えは世界秩序にあります。第二次世界大戦後から現在まで、世界はアメリカ中心に動いてきました。経済や政治、ありとあらゆる面でアメリカがルール作りをしてそれを世界各国が従っています。
しかし、中国は古来より大国であり、独自の文明文化、秩序を築いてきた歴史があって、単純に言うと、今のアメリカ主導の秩序が中国にとって面白くありません。古来からあった地域の覇権を手に入れて中国の思う世界を作りたいのです。
一方のアメリカには、「民主主義を普及させれば、平和になる」という考え方もあって、中国の民主化を試みたこともあります。昔はこの考え方に則ってアメリカが行動すれば、中国の事実上の独裁体制が消えてしまいます。
その恐怖から戦争の準備を行い、中国が簡単に潰れないと誰もが分かった現在では、中国が主張する物事についてアメリカが反発して来る際に備えて戦争の準備をしています。
具体的な中国の主張は領土だと、台湾や日本だと尖閣諸島などです。特に台湾は火種になる可能性が高く、米中戦争が台湾で起こる可能性が高いです。
中国が軍拡する理由
どの国もそうですが、戦争をしないために中国は軍拡しています。
仮に軍隊が大したことなかった場合、大国は簡単に攻め込むことができます。一方で軍隊が大きければ、攻撃を受けることはありません。ただし、これは小国が大国から身を守る場合であって、中国の場合は100%当てはまるとは限りません。
中国の場合は、孫子の兵法にあるように「戦わずして勝つ」ということを戦略として掲げています。
アメリカを相手にとった場合、巨大な中国軍を見てアメリカ側が「中国と戦争したら、アメリカの国民も大きな被害を受けるかもしれない。最悪の場合、核爆弾を落とされる」という考えが働くため戦争抑止になります。
一方で、周辺国の場合は違います。国家ではありませんが、台湾を例にした場合、巨大な軍事力で中国が台湾に対してプレッシャーをかけると台湾側は「もしかしたら本当に攻めてくるかもしれない。戦争が起こる前に屈服しよう」という考えになります。
中国はこのような脅しを巧みに使って、アジアで影響力を強めているのです。
中国の尖閣諸島の領海侵犯
中国は日本とアメリカの出方を見極めるために尖閣諸島を侵入させています。どこまで行ったら、日中が報復措置に出てくるのかどうかを試しています。
また、何度も中国船が尖閣諸島付近にいるということを普通にさせて、知らず知らずのうちに尖閣諸島を占拠することも狙っています。
まとめ
今回は中国の軍事力についてご紹介しました。
中国の軍事力はアメリカに比べてまだ差がありますが、とても早いピッチで強化しているのも事実です。
ぜひ、参考にしてみてください。
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