中国は経済力がとても大きく、国内経済だけでも大きな規模があります。
中国の産業はどういった構造になっていて、どのような特徴があるのでしょうか。
また、有名産業は何なのでしょうか。
今回はそのあたりを踏まえながら、中国の産業について簡単にわかりやすく説明します。
中国の産業の様子について解説!各割合は?
中国の産業の特徴や特色
外務省のデータによると、中国の主な産業は製造業やサービス業なのが特徴です。そして、自動車や電子機器は着実に伸びていますが、鉄鋼や石炭という分野は過剰生産になっているため雲行きが怪しいです。
また、2019年の中国の産業ごとにGDPに占める割合は以下の通りです。
- 第一次産業:農業、林業、漁業など
- 第二次産業:工業や建設業など
- 第三次産業:商業、金融業、サービス業など
現在は第三次産業が中国の主要産業となっています。
中国の産業構造の変化と推移
中国の産業は、GDPに占める割合で見ると、工業や建設業といった第二次産業が中心でした。特に、中国がかつて「世界の工場」と言われたように、世界各国の企業が中国に工場を立てて労働単価の安い中国人の労働者を大量に雇ったことで発展してきました。
しかし、徐々にこの産業構造も変化して2012年には、第三次産業が第二次産業の比率を超えて2015年には第三次産業の比率が50%を超えました。
一方、国際労働財団によりますと、労働力から中国を見ると2016年時点で8億670万人の労働力人口がいます。そのうちの7億7603万人が職についています。
中国の有名産業とランキング
中国の有名企業のトップ3をご紹介します。2020年の中国時価総額ランキングをもとに集計しました。
順位 | 企業名 | 時価総額 | 世界ランキング |
---|---|---|---|
第1位 | アリババ・グループ・ホールディングス | 4859億ドル | 世界6位 |
第2位 | テンセント・ホールディングス | 4063億ドル | 世界9位 |
第3位 | 中国工商銀行 | 2854億ドル | 世界23位 |
アリババ・グループ・ホールディングス
アリババは1999年に創業したジャック・マー(馬雲)で有名な企業です。アリババという企業間取引サイトを作り、タオバオ(淘宝網)というオークションサイトを2003年にオープンしました。
そして、現在でも中国でよく使われるアリペイ(支付宝)を立ち上げ、2014年にニューヨーク証券取引所に上場します。世界史上最大の株式公開となりました。
テンセント・ホールディングス
テンセントは1998年にQQというメッセージアプリを作った会社です。2011年にはウェイシン(微信)を立ち上げ、中国版のLINEとしてメッセージのやりとりをするときにみんなこのアプリを使います。
2019年には11億3270万人が使用するという巨大なユーザー数を達成しました。また、テンセント・ミュージックという音楽アプリにも力を入れていて今後も注目の企業です。
中国工商銀行
中国工商銀行は中国の最大大手銀行で、世界的に見ても大手で総資産額は日本円でおよそ460兆円ほどにもなります。
中国国内には2019年時点で1万6371箇所、海外にも428箇所ほどの営業拠点があります。また、日本には1997年に東京支店を建てています。
中国と産業革命の関係
18世紀後半にに産業革命がイギリスで発起こり、機械が発明されたり蒸気機関が使用されたりしました。なぜ、中国で産業革命が起こらなかったのかは、明らかにされていません。ちなみに、産業革命前の中国は世界一の大国で、中国のGDPは世界の3分の1を占めていました。
中国は産業革命の波に乗れませんでしたが、イギリスの産業革命の影響は中国の歴史にも影響を与えています。
イギリスで産業革命が起こって、機械を使って綿製品がたくさん作り出されるようになります。一方で中国はもともと、南京木綿という高品質な綿を作っており、イギリスにも輸出していました。
産業革命後はイギリスが自国で生産した綿を中国(当時は清)へ輸出しようとしましたが、うまく売れずに支払いに使う銀が大量に中国に流出します。これを止めるためにイギリスはアヘンを輸出し始めます。
そして、中国は国の治安が悪化するのでアヘン貿易を辞めたとろ、怒ったイギリスとアヘン戦争へと進みます。
ちなみに、中国はイギリスとの戦争に負けて工業化に失敗しましたが、日本はうまく工業化の波に乗りました。
まとめ
中国の産業についてご紹介しました。
中国国内に工場を造って、多くの中国人労働者が働いたことによって製造業が発展しましたが、現在ではサービス業が主な産業となっています。その証拠に、トップ3の企業もITと金融です。
このポイントだけ覚えておきましょう。
ぜひ、参考にしてみてください。